2024年4月現在、USドル/円の為替レートは1ドル153.4333円です。
2021年1月時点は103.6961円でしたが、この3年で大きく円安ドル高へと大きく動いています。
円安傾向にあると、現金預金のままでよいのかどうか悩ましいところです。
不動産投資に円安、為替相場がどのように影響するのか、この記事で解説します。
出典:世界経済のネタ帳
不動産投資に円安がが与える4つの影響とは
不動産投資でも株式投資と同様に、為替相場の推移は影響を与えます。
主な影響は以下の4つです。
(1)購入時の価格上昇
(2)海外投資家による国内不動産への投資増加
(3)国内投資家による海外不動産の購入価格上昇
(4)住宅ローンの金利上昇
以上のようなポイントを押さえつつ、円安が不動産投資に影響する理由を確認していきましょう。
(1)購入時の価格上昇
輸入資材に頼る割合は建設事業者によって様々ですが、国内物件の多くでは輸入された建築資材が使用されている状況です。
円安によって輸入原材料の調達コストが上昇し、2024年から施行された働き方改革の影響で一人当たりの労働時間が短縮されるため、建築関係の人件費も上昇しています。
このように建築費も増加し、物件販売価格も高騰する流れも予想されます。
ウッドショックによる木材価格高騰、世界的な半導体不足による住宅工事の施工遅れ、世界的に不安定な経済状況といった要因と同じく、円安も不動産購入価格が上昇する一因と言えるのです。
(2)海外投資家による国内不動産への投資増加
円安が進むと、海外からの旅行客によるインバウンド消費が増えるのと同じく、海外投資家による日本国内への不動産投資も増加する傾向があります。
海外投資家の本国の資金量が以前と同じでも、円安の進行によって不動産価格に割安感が生じるためです。
たとえば、日本国内の不動産価格が3,000万円だったとしましょう。
2021年1月ごろに購入すると、当時はUSドル/円の為替レートが1ドル103.6961円でしたので、
3.000万円 ÷ 103.6961円/ドル = 289,306.92ドル ≒ 290,000ドルが必要でした。
一方で2024年4月現在、3,000万円の不動産を購入しようとすると、USドル/円の為替レートは1ドル153.4333なので、
3.000万円 ÷ 153.4333円/ドル = 195,524,7ドル ≒ 196,000ドルで購入ができます。
2021年1月と2024年4月を比べると、約94,000ドルの違いがあることがわかりました。
290,000ドル – 196,000ドル = 94,000ドル
円安が進行した方が、海外投資家は日本の不動産を買いやすくなっていますよね。
結果、日本の不動産投資に対する需要が増加し、購入価格の相場が上昇していく要因となります。
(3)国内投資家による海外不動産の購入価格上昇
日本国内から国外の不動産投資を始めようとする場合、円安が進行するにつれて不動産購入時の日本円での費用が高くなります。
同じ不動産価格であっても、日本円と現地通貨の為替レートが円安になればなるほど、必要となる日本円が多くなるためです。
海外物件での不動産投資を既に運用している場合では、円安が進むことで売却益を得ることも可能ですが、物件取得前であれば為替相場の推移や予測を確認しておきましょう。
(4)住宅ローンの金利上昇る
2024年5月現在、日本では引き続き低金利を維持しており、アメリカを中心とする海外の政策金利の上昇や上昇への期待によって、円安ドル高の構図になっているとも言えます。
これから日本も政策金利を上げる可能性はあり、それによる円安対策を講じるのではと予想されている状況です。
円安対策や円安によるインフレ対策がとられた場合、その影響で住宅ローン・不動産投資ローンの金利も上がりやすくなります。
一般的に住宅ローンの金利のうち、金利の上昇の影響を最も受けるのは変動型金利です。
長期固定金利型では、借入時の金利が上昇しやすくなります。
なお、不動産投資用の物件の購入はマイホームではありませんので、住宅ローンを利用できません。
不動産投資用の物件でローンを利用する場合は、不動産投資用ローンを利用する必要があります。
不動産投資用ローンを借り入れる際の金利も、円安の影響で上昇する可能性があると言えるでしょう。
円安によるインフレを懸念した日銀の政策転換によって政策金利が上がると、銀行の貸出金利もあわせて上昇するためです。
もちろん、円安だからといってコロコロと政策金利が変わるわけではありません。
円安とインフレの度合いや経済状況など、多くの要因を考慮した上で政策金利を含む金融政策は決定されます。
円安が不動産投資に影響を与える3つのタイミング
国内の不動産投資で円安の影響を受けるタイミングは、以下の3つに分けられます。
(1)不動産購入時
(2)不動産売却時
(3)不動産のメンテナンス・リフォーム時
それぞれのタイミングで、どのように円安が影響するかを把握しておきましょう。
(1)不動産購入時
投資用物件の購入をしようというときに円安が進行していく場合、「不動産購入価格の上昇」「借入金の金利上昇」が考えられます。
円安が結果としてインフレに繋がり、不動産価格の上昇も見込まれるため、購入する物件をひたすら迷い続けるのはリスクがあると言えるでしょう。
迷っているうちに物件の相場が上がり、不動産投資の初期費用が多くなってしまいがちです。
また、自己資金にプラスして銀行から借り入れを検討している場合は、円安によって金利が上昇してしまう前に不動産投資をスタートするメリットがあります。
家賃収入で収益を上げていく方法なら、安い金利で借り入れて、不動産価格高騰前に物件を購入して運用をしたほうがよいでしょう。
不動産投資では「いまが買い時」と考えて、運用を早めにしたほうが収益を上げやすくなるとも言えるのです。
(2)不動産売却時
不動産を購入したときに比べて、売却のタイミングで円安になっていたケースで考えましょう。
円安が進行してインフレになると、不動産価格も他の物価と同様に上昇しやすいと言えます。
物件の特徴や人気エリアによっても異なりますが、購入時と売却時の差額で儲けられるケースも十分に考えられるでしょう。
現金資産をそのまま貯金として管理するよりも、インフレの恩恵を受けやすいのが不動産投資の特徴でもあります。
(3)不動産のメンテナンス・リフォーム時
大家として収益を上げていく運用スタイルでは、円安によってメンテナンスやリフォーム時の費用も多くなる影響が考えられます。
住宅工事では建築資材が輸入頼みの側面があり、原材料費が円安によって上昇するためです。
インフレが進行し、賃金水準も上昇している場合は、工賃も上昇しやすいでしょう。
とはいえ、物件の魅力を維持するためではありますので、今後の入居者募集でも人気になりやすくなると考え、必要経費と割り切って考えて対処するのがオススメです。
円安の影響度は不動産投資の2つのスタイルによって変わる
不動産投資での円安の影響度は、運用方針によって異なります。
(1)キャピタルゲインで短期間の大きな収益を狙う
(2)インカムゲインで安定した長期的な収益を狙う
この2つの不動産投資スタイルに分けて、円安の影響度を解説します。
(1)キャピタルゲインを狙う場合:有利に働きやすい
不動産投資でのキャピタルゲインは、購入時の価格よりも高く物件を売却する戦略です。
キャピタルゲインを狙う場合には、円安は不動産の相場上昇に影響しやすいため、有利に働く要素と判断できるでしょう。
不動産を購入したタイミングから円安が進みインフレ傾向になると、国内の不動産市場の価格相場も上昇します。
新築時の価格から下落しにくくなるというケースも増えていくだけでなく、人気物件では年数経過後も価格が上昇する場合もあるのです。
また、海外での不動産投資でキャピタルゲインを狙う場合は、現地での不動産価格が変わらずとも、為替レートによって円安の恩恵をより多く受けることが可能です。
国内外問わず、キャピタルゲインを狙う場合は円安の影響度は大きいと言えるでしょう。
(2)インカムゲインを狙う場合:有利に働きやすい
マンションを購入し、入居者からの家賃収入で収益を長期的に上げるインカムゲインを狙う場合は、円安の影響は大きいと言えます。
日本の家賃相場は長期にわたるデフレで家賃は上がってきませんでした。
しかし、これから円安によるインフレが期待されることで、家賃の上昇も十分に見込まれる状況です。
もちろん、修繕費など工事費用では、原材料費などが円安により高騰することもあります。
所有物件を運用し長期的にインカムゲインを得るならば、円安の影響はプラスにはたらくと言えるでしょう。
国内物件の長期的な運用なら円安の影響は少ない
海外物件での家賃収入を得る場合であれば、現地で同額の家賃でも、外貨の両替タイミングによって日本円での収益金額が増加します。
一方で、国内の物件を所有して家賃収入で収益をあげる運用スタイルでは、インフレによる家賃相場の上昇が見込めることもあり、円安の悪影響は少ないと言えるでしょう。
空き室になるリスクの少ない物件を選び、インカムゲインを長期的に得ていくスタイルであれば、家賃の上昇に繋がる円安がメリットとなります。
もちろん、長期的であれ短期であれ、不動産を購入して運用していくからにはリスクがあります。
専門的な知識がなく不安といった方には、不動産クラウドファンディングで、少額から投資をスタートしていくこともオススメです。
ファンドとして公開されている物件に1万円から出資することが可能ですし、3〜9%の利回りを期待でき出資者に有利な条件が多いためです。
不動産投資を勉強しながら着実に不動産クラウドファンディングでスタートし、知識が備わったタイミングでまとまった資金での不動産投資をスタートするのもよいでしょう。
円安の影響を考えて運用スタイルを選択しよう
不安定な世界情勢、経済状況の変化による円安の報道を目にするたびに、現金資産を貯金のままにしてもよいのか不安になるかもしれません。
円安が進行しインフレになっていくと、現金の価値は相対的に下がっていきます。
しかし、不動産投資として運用をすることで、円安によるインフレの恩恵をより多く受けられるのです。
ご自身のライフスタイルを考慮しつつ、円安の影響を見据えた運用スタイルも選択していきましょう。
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