改めて消費税を理解しよう
国税庁のHPから引用すると、「消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付する」と記載されています。
身近な例でいえば、私たち(消費者)はほぼ毎日のようにスーパーマーケットやコンビニで買い物をしますよね。
その時にレシートを見ると、「8%対象 XX円」、「10%対象 XX円」といった表記がされています。
このように私たちはほぼ毎日のように消費税を負担しています。
消費税の課税、不課税、非課税
国や地方公共団体が私たちに対して、消費税の負担を求めてくることを、「消費税を課税する」と表現します。
それではどういう取引に消費税が課税されるかというと、
①国内取引であること
②事業者が事業として行うものであること
③対価を得て行われるものであること
④資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供であること の4つの要件に当てはまった場合には消費税の負担が求められます。
逆に言うと、これらの要件に当てはまらない取引は消費税が課税されない、つまり「不課税取引」に該当し、消費税を支払う必要はありません。
例えば、会社員に対して支払われる給料には消費税が含まれていません。
これは給料は雇用契約に基づいて会社に提供する労働であって、「事業」として行っているものではないからです。
それだけではありません。実は「非課税取引」とよばれる取引もあります。
これは、4つの要件には該当するものの、課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、消費税を課税しないものとして扱われている取引です。
家賃に消費税はかかるのか?
それでは家賃についての消費税はどうでしょうか?
結論から言うと、居住用の住宅家賃については消費税は発生しません。
賃貸マンションに暮らしている方々は毎月家賃を払っています。
マンションを貸す側の視点で先ほどの4つの要件に当てはめると、
①国内にあるマンションを貸している
②マンションオーナーとして貸している
③家賃を受け取っている
④マンションを賃貸借契約により貸し付けている と考えると消費税が課税されそうですよね。
ではなんで消費税が課税されないのか?
それは住宅の貸し付けが「非課税取引」に該当するからです。
平成3年に社会勢策の一環として非課税取引になったので消費税が課税されないという例外的な扱いの取引なんです。
その証拠に、「居住用」の家賃については消費税がかからないと書いた通り、もしも居住用ではなく、事務所用に借りている建物に借りている家賃については消費税が課税されることになります。
消費税はとても複雑
消費税はとても複雑です。
消費税が課税されるかされないかについて、税理士でも即答することが難しい取引はたくさんありますので、4つの要件に趣旨に照らして判断することになります。
ですが、これを機に消費税に興味をもって、日々お金を払っている取引について、皆さんが消費税を負担しているのかどうかを見てみると良いと思います。
この記事を書いた人:川名公認会計士事務所 代表 川名大哉
東京生まれ、東京育ち。2017年7月に福岡市へ移住してきた公認会計士・税理士。
早大卒業後、あずさ監査法人で会計監査に従事、2021年10月に会計事務所を設立する。
中小企業の経営者や個人事業主の良き相談相手として、「お金とゆとりを生み出す」をモットーに福岡市で税務・会計サービスを提供する。
趣味はホークス戦観戦、サウナ巡り、暗号資産取引。
ホームページはこちら川名公認会計士事務所