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「減価償却」のよくある勘違い 〜耐用年数が経過したら 設備は使えなくなる?〜

2022.09.20

コラム記事40のメイン画像 会計士が教える「投資」の話

減価償却費という言葉を聞いたことはないでしょうか?
仕事で経理をやっている方や、個人事業主として事業をやっている方であれば何度も聞いたことがある言葉かもしれませんが、聞いたことのない人にとっては「?」という言葉だと思います。
聞いたことのない人にとっても身近な例を使って減価償却費がどんなものか、また、よくある勘違いについて紹介したいと思います。


減価償却ってそもそも何?

減価償却とは、建物、車両及び機械といった固定資産と呼ばれるものの価値の減少を数値として表すことです。

身近な例で、新車で車を買った場合を考えてみましょう。

車を買って、買い物や旅行のために車を使って運転すればするほどエンジンが傷んだり、車に傷がついたりしますよね。

また、中古車は新車に比べるとだいぶ安く売られていますよね。

このように、固定資産は使い始めてから少しづつ価値が減少していくものです。

この価値の減少額を数値で表すことを減価償却といいます。

 

減価償却費の計算方法

税務での減価償却方法を例にとってみましょう。

 

減価償却費は、主に固定資産の「取得価額」、「耐用年数」、「償却率」で計算します。

耐用年数は、「固定資産の価値を減らしていく期間」とイメージしましょう。

 

耐用年数は国税庁で示されている耐用年数表を使用して決定します。

また、対象の固定資産に応じて、減価償却の方法が変わります。

 

例えば、住宅用の木造建物であれば定額法、耐用年数は22年で計算されます。

償却率は、耐用年数と減価償却方法によって決まるものです。

詳しくは国税庁のHPにも掲載されておりますのでご参考下さい。

これらを基に、減価償却費の金額を計算すると以下のようになります。

 

(例)2022年度の価償却費の計算:住宅用の木造建物の場合

建物の使用開始日:2022年4月1日

取得価額:1,000万円

建物の構造:木造

 

1,000万×0.046※→46万円

※耐用年数が22年で定額法の場合の償却率

 

「減価償却」のよくある勘違い 〜耐用年数が経過しても使ってOK〜

よくある勘違いを紹介します。

耐用年数が経過した固定資産は使えなくなるのか?という点です。

 

結論から言ってしまうと、耐用年数が経過しても使ってOKです!

耐用年数が経過したからといって、その固定資産を処分しなければならないといったことはありません。

 

減価償却費は単に固定資産の価値の減少を数値で示したものです。

例えば、普通自動車はの耐用年数は6年ですが、これは通常使われるであろう期間として国が定めた期間に過ぎません。

平成30年に一般財団法人自動車検査登録情報協会が調べた自動車の平均使用年数によると、普通乗用車は13.24年となっており、減価償却の耐用年数6年から、さらに7年以上使わているんです。

税務的な価値はなくなりますが、それはあくまでも税務的な側面のこと。

「使える期間」ではありませんので、使う本人にとっては変わらずに価値のあるものとして大切にしていきたいですね!

 

まとめ

今日は減価償却に関する記事でした。

会計、税務、また投資をするにあたって減価償却という概念は非常に重要になります。

特に大きなマンション投資をする際には減価償却費の金額が非常に大きくなりますので、投資の意思決定を誤らないためにも正しい知識を身に着けてもらえればと思います。

 

 

この記事を書いた人:川名公認会計士事務所 代表 川名大哉 

東京生まれ、東京育ち。2017年7月に福岡市へ移住してきた公認会計士・税理士。

早大卒業後、あずさ監査法人で会計監査に従事、2021年10月に会計事務所を設立する。

中小企業の経営者や個人事業主の良き相談相手として、「お金とゆとりを生み出す」をモットーに福岡市で税務・会計サービスを提供する。

趣味はホークス戦観戦、サウナ巡り、暗号資産取引。

ホームページはこちら川名公認会計士事務所

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