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固定資産税ってなに?マンションにかかる固定資産税をわかりやすく解説!!

2022.12.02 (最終更新:2024.01.26)

コラム記事59のメイン画像 会計士が教える「投資」の話

マンションを購入した人が払わなければならない費用の一つが固定資産税です。 固定資産税は、マンションを所有している限り、ずっと支払い続けることになります。そのため、固定資産税がどれくらいかかるのかをマンション購入の前に知っておき、資金計画を立てることが大切です。住宅ローンや管理費などとともにマンションの維持費用をしっかりと把握しておきましょう。 この記事では、固定資産税の基本的な情報と実際にマンションを購入した際のシュミレーションを記載しています。


固定資産税とは

固定資産税とは土地や家屋などの固定資産を持つすべての人が納める税金です。
マンション等の不動産を購入すると新築・中古に関わらず、毎年「固定資産税」がかかります。
毎年1月1日時点の土地や家屋の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定された税額が課税対象です。
たとえ自分が住んでおらず、他人に貸し出しているマンションでも所有者が固定資産税を納める必要があります。
固定資産税の納付先は所有する固定資産のある市区町村です。
なお、東京23区の場合は区ではなく東京都に納めます。

 

固定資産税の払い方

固定資産税の支払いに関する解説を行います。
(1)通知方法
(2)
支払い時期
(3)支払い方法

 

 

(1)通知方法

固定資産税の納税通知書が、毎年4月ごろにマンションの所有者宛てに送られてきます。

固定資産税を支払う対象は、毎年1月1日時点で保有している不動産です。

自分が居住していなくても、マンションの所有者に通知書が届き、支払う義務があるため注意が必要です。

 

 

 

(2)支払い時期

納期は年4回で、一括で納入することも可能です。納期は全国一律ではなく、市区町村毎に異なります。

ちなみに東京23区の納期は、6月、9月、12月、2月です。

固定資産税の納期に関する詳しい情報は、市区町村のホームページなどで調べられるため、確認しておきましょう。

もし、支払い期限までに納付できない場合は、延滞金が発生するため注意してください。

 

 

 

(3)支払い方法

固定資産税の支払い方法は以下の4つの方法があります。

●各自治体、郵便局、各金融機関、コンビニなどの窓口による現金支払い
●口座振替による自動支払い
●クレジットでの支払い
●ATMやインターネットバンキング、モバイルバンキングを利用したペイジー支払い

これらの方法も支払うべき市区町村によって異なるため、どの支払い方法が使えるのかは、は確認するようにしてください。

 

 

 

マンションの固定資産税の計算方法

固定資産税は土地と建物それぞれにかかる税金です。

(1)建物と土地を分けて計算する
(2)建物の課税標準額の求め方
(3)土地の課税標準額の求め方

この章ではこれら3つについて解説していきます。

 

 

 

(1)建物と土地を分けて計算する

固定資産税は土地と建物に分けて計算する必要があります。

マンションの固定資産税の計算方法は以下のとおりです。

固定資産税額 = 固定資産税課税標準額(固定資産税評価額)× 税率(標準税率1.4%)

 

土地と建物それぞれの固定資産税課税標準額(固定資産税評価額)に対して、標準税率の1.4%をかけて算出された値が基本の固定資産税額です。

 

 

 

(2)建物の課税標準額の求め方

建物の場合、次のような計算式で算出します。

家屋(建物部分)の課税標準額(評価額)= 単位あたり再建築評点 × 経年減価補正率 × 床面積 × 評点一点あたりの価額

 

再建築評点というのは、仮にその家屋とまったく同一のものを新築する場合に必要とする建築費を点数に置き換えたものです。

しかし、これは個々の物件によって、資材に何を使っているか、どのような設備があるのかなど細かな条件によって決まり、複雑な計算になるので、今回は簡単に「実勢価格(時価)の約70%」という目安を使って計算します。

なお、建物については、前述の経年減価補正がかかるため、築年数が経過すると実勢価格も下がっていきます。

 

 

 

(3)土地の課税標準額の求め方

土地の課税標準額は、土地の評価額に加えて、特例などが適用されることで金額が変わってきます。

土地の評価はさまざまな要素によって決まりますが、今回は簡単に「公示価格の約70%」とし、そこに特例による軽減措置を考慮して計算します。

住宅用地であれば、200㎡以下の部分の固定資産税が最大6分の1、200㎡を超える部分が最大3分の1に軽減されます。

 

 

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、市区町村が定めた固定資産の価値を表した金額です。
不動産の価格の基準は5つあり、一物五価(実勢価格、公示価格、基準地価、路線価、固定資産税評価額)と言われます。
固定資産税評価額は3年に一度見直され、見直しがある年を基準年度と呼びます。
ここ最近では令和3年度(2021年度)に見直しが行われました。

 

 

マンション「土地」の固定資産税評価額

マンションの場合、戸建てとは異なりマンションの所有者全員で土地を按分(あんぶん)します。
マンションがある土地の評価額全体を各住戸の面積で割って、その比率で按分することで、各住戸における土地の評価額を算出していきます。
基本的に古くなるほど評価額が落ちる建物に対し、土地の固定資産税評価額はほぼ一定ですが、土地の再開発など外部要因によって上がることもあります。

土地の評価額は、地価公示価格及び不動産鑑定士等による鑑定評価から算出した価格の70%を目安に評価されます。

この評価額は国土交通省の標準値・基準値検索システムを利用して調べることができます。

(参照:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

 

マンション「建物」の固定資産税評価額

マンションの「建物」部分の固定資産税評価額は土地と比べて算出方法がやや複雑になります。
建物の評価額は、「どのような資材をどれだけ使用しているか」を考慮して再建築した場合にかかると思われる費用(再建築価格)に、「構造及び用途等の区分に応じて設定されている建築後の経過年数に応じる減価率」という経年劣化におけるマイナス(原価残存率)を加味して評価がつけられます。

 

「どのような資材をどれだけ使用しているか」という点が基準になるのですが、こちらも土地と同様に行政が建物ごとに価値を設定しています。
しかし、自分自身で調べることはまず不可能です。

 

そのため、毎年届く納税通知書を保管しておき、はじめの頃にかかった固定資産税額を把握しておくと参考にすることができます。

「構造及び用途等の区分に応じて設定されている建築後の経過年数に応じる減価率」については、何年経過するとどのくらい価値が目減りするのかという点について公開されています。

建物の経年劣化による評価額の減額は、東京都の場合、「東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」の「経年減価補正率表」をもとに、年数による減額割合が定められています。

 


参照:経年減価補正率表

築10年で3割、築20年で5割程価値が目減りし、その結果固定資産税額も減少します。

こうして土地と建物それぞれに算出した評価額の合算が所有されているマンションの固定資産評価額になります。
ちなみに、同じマンション内であれば、基本的に面積当たりの固定資産税額は同額です。
専有面積が異なれば支払う金額も変わってきます。

固定資産税の減額措置について

「住居用」のマンションについては、固定資産税の軽減措置が設けられています。

この章では以下3つについて解説していきます。

(1)土地の軽減措置
(2)新築マンションの軽減措置(2022年3月31日までの新築)
(3)認定長期優良住宅の軽減措置

 

対象になる要件や、どれくらい減額できるのか確認していきましょう。

 

 

(1)土地の軽減措置

一定の条件を満たす住宅用のマンションでは、築年数に関わらず、土地に対して軽減措置が設けられています。

マンションの土地に対する軽減措置は、「敷地全体の面積を戸数で割った面積」で判断されます。

 

一般的なマンションであれば「1部屋あたり200㎡以下」に収まることが多いため、課税標準が6分の1に減税される可能性が高いです。

 

 

 

(2)新築マンションの軽減措置(2022年3月31日までの新築)

新築から5年までのマンションには、建物に対して軽減措置が設けられています。

 

 

 

(3)認定長期優良住宅の軽減措置

認定長期優良住宅とは、長期にわたって使用できる優良な住宅として法律で認定を受けた住宅のことです。

劣化対策や耐震性、省エネルギー性などの9つの項目で判断され、地方自治体が審査・認定をします。

認定長期優良住宅の認定を受けたマンションについても、軽減措置の対象となります。

 

 

3,000万円のマンションを購入した際のシュミレーション

3,000万円のマンションを購入した場合、固定資産税がいくらくらいかかるのか基本的な仕組みや試算方法を解説します。

固定資産税の計算方法は、土地でも建物でも基本的な計算式は以下のとおりです。

固定資産税 = 課税標準額 × 税率(1.4%)

 

今回のシミュレーションでは、計算の都合上、土地面積は200㎡を超えず、軽減措置により6分の1になるものとします。

また、すべて非木造のマンションで、物件の価格に占める建物と土地の割合は「建物50%、土地50%」と仮定します。

 

 

 

【シュミレーション1】首都圏にある新築マンション(3,000万円)の固定資産税

新築マンションで、購入時に実勢価格が3,000万円とします。

そのうち、建物と土地の割合を「建物50%、土地50%」と考えると、建物1,500万円、土地1,500万円となります。

新築マンションの軽減措置を適用し、5年間の固定資産税を2分の1として計算します。

 

建物:(1,500万円 × 70%) × 1.4% × 1/2 = 73,500円

土地:(1,500万円 × 70%) × 1/6 × 1.4% = 24,500円

⇒ 合計:73,500円 + 24,500円 = 98,000円

固定資産税額=98,000円

 

新築マンションでは建物の軽減措置での2分の1が適用になり固定資産税を抑えることができます。

 

 

 

【シュミレーション2】首都圏にある築10年の中古マンション(3,000万円)の固定資産税

築10年の中古マンションで、購入時に実勢価格が3,000万円とします。

そのうち、建物と土地の割合を「建物50%、土地50%」と考えると、建物1,500万円、土地1,500万円となります。

それを時価として、その70%が評価額になるものとして計算します。

新築時に適用されていた5年間の軽減措置は終了しています。

 

建物:(1,500万円 × 70%)× 1.4% = 147,000円

土地:(1,500万円 × 70%)× 1/6 × 1.4% = 24,500円

⇒ 合計:147,000円 + 24,500円 = 171,500円

固定資産税額=171,500円

 

マンションの築年数が経過していくにつれ、徐々に税額が下がります。

 

 

 

【シュミレーション3】首都圏にある築20年の中古マンション(3,000万円)の固定資産税

同じ条件でさらに10年経過した、築20年のマンションの場合のシュミレーションをします。

この場合は、築20年が経過したことによって、建物の評価がどのくらい下がっているかを考慮することになります。 

建物の評価額は、さまざまな条件によって決まりますが、今回はひとつの参考として、東日本不動産流通機構のデータを基に、築年数が経過するごとに、物件の価格がどのくらい変わるのか、平均の変動率を算出しました。

参照:http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202102.pdf

 

それによると、築10年時点の価格から築20年時点の価格への変動率は、およそ-23%(小数点以下は切り捨て)となります。

この平均の変動率を基に築20年時点の実勢価格を設定すると、固定資産税の計算式は以下となります。

 

建物:(1,500万円 -{1,500万円 × 23%})× 70% × 1.4% = 113,190円

土地:(1,500万円 × 70%)× 1/6 × 1.4% = 24,500円

⇒ 合計:113,190円 + 24,500円 = 137,690円

固定資産税額=137,690円

 

建物は築年数が経過している分、価値が目減りしたと考えられるので、やや減額されます。

一方、土地については経年による価値の変化は考えないので、税額は他のシュミレーションの場合と同じです。

 

 

マンションの固定資産税に関する注意点

マンションの固定資産税は以下の3点に注意してください。

(1)納税通知書の内容
(2)固定資産税を含めた資金計画を行う
(3)過払いに気をつける

それぞれを解説していきます。

 

 

 

(1)納税通知書の軽減措置内容

所有している物件の市区町村から納税通知書が送られてきたら、必ずその内容を確認しましょう。

特に確認した方がよい箇所は、軽減措置です。

小規模住宅用地と一般用住宅用地では、軽減措置の内容が異なります。土地の面積から正しく減額されているのか、しっかりと確認しましょう。

また、新築住宅や認定長期優良住宅などの建物の特徴により軽減措置の対象となるものもあります。

 

自分の所有するマンションがどのような軽減措置を受けられて、減額措置がされているのかはかならずチェックするようにしてください。

 

 

 

(2)固定資産税を含めた資金計画を行う

マンションを購入する際は、住宅ローンの返済に意識が向いてしまうため、固定資産税の支払いを意識しないことがあります。

かならず資金計画には固定資産税の支払いを含めてください。

 

また、マンションを保有していると、管理費や修繕積立金、駐車場などの費用がかかってきます。

これらの費用も含めて資金計画を立てるようにしてください。

 

 

 

(3)過払いに気をつける

固定資産税は、支払うべき金額よりも多く課税されるケースがあります。

軽減措置が適用されていないケースや評価額が変更されていないケースなどによって多く課税されてしまうことがあるようです。

もし、過払いが発覚した際は各自治体から返金してもらえるため、納税通知書を確認し正しい内容か確認するようにしましょう。

記載ミスを見つけた時や不明点がある場合は、遠慮なく各自治体に問い合わせて確認してください。

 

 

 

まとめ

固定資産税は土地と建物とそれぞれ計算したものを合算します。
土地と建物がどのように評価されるのかを知ることで自分の資産の状況を把握することができるので、マンションの購入前はもちろん、購入後にも固定資産税を確認しておきましょう。

 

 

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