そもそも「原状回復」とは何?
結論として、原状回復とは「入居者の不注意や故意でつけた傷・汚れを直すこと」です。
部屋を「入居時とまったく同じ(新品の)状態」に戻す義務はありません。
国土交通省のガイドラインでも、普通に暮らしていて生じた汚れや、時間の経過による劣化(経年劣化)は、大家さんが修繕費を負担するルールになっています。
【知っておきたいポイント】

まずは「自分が直すべき範囲」と「大家さんが直すべき範囲」が違うことを理解し、契約書の内容をしっかり確認しておきましょう。
※詳しくは、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参照してください。
また、退去費用を気にする「コスト意識」を持つことは、資産を守る上で非常に大切です。
では視点を少し広げて、日本全体の「物価」や「お金の価値」がいまどうなっているか、確認してみませんか?
身近なスターバックスの価格から、日本経済の現在地を読み解く興味深い記事をご紹介します。
続く円高市場!で日本のスタバ価格はどうなった?スターバックス指数から考える日本の物価
原状回復の負担内容(借主・貸主)
借主と貸主の原状回復の負担内容を解説します。
(1)借主の原状回復の負担内容
(2)貸主の原状回復の負担内容
(1)借主の原状回復の負担内容
借主の過失や故意によって発生した汚れや傷は、基本的には借主に原状回復の義務があります。
主に以下のような例が借主の負担内容です。
●定期的な掃除を怠ったことで発生したカビ・水あか
●手入れを怠ったことによるガスコンロ置き場や換気扇の油汚れ
●飲み物をこぼしたり、食べ物を落としたりしてできたシミ
●ものの落下による傷・破損
●たばこの煙によるヤニの汚れ
●ペットによるひっかき傷
●鍵の紛失・破損
(2)貸主の原状回復の負担内容
貸主が負担する原状回復は、経年劣化や通常損耗と判断される範囲を負担します。
主に以下のような例が貸主の負担内容です。
●重い家具や家電による床のへこみ
●日差しで色あせた床や畳、クロスなどの変色
●自然災害による破損
●画鋲の穴
2020年改正の原状回復にまつわる民法
2020年4月の民法改正は、私たち借主にとって非常に大きな「追い風」となりました。
最大の変更点は、「経年劣化や通常損耗は、原状回復の対象外である」というルールが、法律(民法621条)として明文化されたことです。
これまでは国土交通省のガイドラインに記載があるのみで、法的な強制力が曖昧でした。そのため、退去時のトラブルが絶えなかったのです。
しかし、法律にはっきりと書かれたことで、入居者は不当な請求に対して「支払う義務はない」と主張しやすくなりました。
ただし、安心は禁物です。契約書に「特約」が記載されている場合は、そちらが優先されることもあります。
自分の身を守るためにも、契約内容は必ず確認しておきましょう。
原状回復費用の負担割合
借主が原状回復費用を負担しなければならないケースでは、必ず「経過年数」が考慮されます。
経過年数が考慮されることで、貸主と借主の負担割合が変わってきます。
国土交通省のガイドラインに記載されている負担割合表を見てみると、内容によっては経過年数を考慮しない部分もありますが、畳床・カーペット・クッションフロアは「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」と記載されています。
また、壁(クロス)についても、「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」と定められています。
つまり、入居して6年経っていて、借主に過失がなければ畳床・カーペット・クッションフロアや壁(クロス)などの原状回復のための負担はなくなるということになります。
管理会社やオーナーと原状回復費用について話す際は、必ず経過年数が考慮されているかどうかを確認するようにしましょう。
原状回復の負担を抑える4つのポイント
賃貸物件の退去時には、原状回復費用をできるだけ安く済ませたいと考えるのは当然です。
そこで、ここでは借主が原状回復の負担を抑えるコツを紹介します。
(1)汚れや傷を残さない生活
(2)入居時の状態を撮影
(3)信頼できる不動産管理会社を選ぶ
(4)契約内容の確認
(1)汚れや傷を残さない生活
退去時の出費を減らす確実な方法は、「日々のこまめな掃除」です。
うっかり付けた傷や、放置して悪化させた汚れは入居者負担の対象となります。
気づいた時点で早めに対処することが大切です。
特にキッチンや浴室などの水回りは要注意エリアです。
カビや水垢を放置して取れなくなると、「善管注意義務違反」とみなされ、クリーニング費用を請求される恐れがあります。
また、エアコンも季節ごとにフィルター掃除を行いましょう。手入れ不足が原因で故障した場合、修理費用は借主持ちになるケースがあるからです。
もっとも警戒すべきはタバコです。
多くの物件で室内喫煙は禁止されており、ヤニ汚れや臭いがつくと壁紙の全面張り替えなどが必要になります。
その費用は敷金を大幅に超えることも珍しくありません。
ルールを守り、きれいに住むことが結果的に退去費用の節約につながります。
さらに、ベランダでの喫煙は近隣への迷惑となってトラブルに発展する可能性もあります。
そのため、賃貸物件での喫煙はできないものと考えたほうがよいでしょう。
(2)入居時の状態を撮影
入居時には不動産管理会社などの立ち合いのもと、汚れや傷がないかチェックをするはずです。
ただし、この時には気づかなかった汚れや傷もあるかもしれません。
自分がつけたものではないことを証明するために、入居数日以内に写真を撮っておくことがおすすめです。
撮った写真がある場合は、早めに管理会社に提出して報告しておきましょう。
貸主にも状態を把握しておいてもらうことで、トラブル回避につながります。
ほかにも、賃貸物件を借りた際には「入居時チェックリスト」という、入居時点での家の状態を記録する書類を渡されることがあります。
どこにどのような汚れや傷があったかを入居時に記録として残しておきましょう。
(3)信頼できる不動産管理会社を選ぶ
快適に過ごしていくためには、その賃貸物件が適切に管理されているかも重要です。
共用部の清掃が行われていなかったりすると、気持ちよく過ごすことができなくなってしまいます。
そこで、不動産管理会社の力を測るポイントを3つ紹介します。

不動産管理会社については、以下の記事でも紹介しています。
不動産投資は「入居率」が鍵!高入居率物件といい管理会社の選び方
(4)契約内容の確認
民法改正で入居者が有利になったとはいえ、決して油断はできません。
もっとも注意すべきなのが、契約書に記載される「特約事項」の存在です。
原則として「経年劣化は大家さん負担」ですが、貸主と借主がお互いに合意すれば、例外的なルールとして特約を定めることが可能です。
代表的な例として、「退去時のハウスクリーニング費用は借主が負担する」といった条項が挙げられます。
この内容で契約を結んでしまうと、たとえ部屋をきれいに使っていても、法律より契約内容が優先され、費用を支払わなければなりません。
あとから「知らなかった」では済まされないため、署名する前に必ず特約の有無や金額を確認する癖をつけましょう。
原状回復費用を最小限に抑えよう
原状回復とは、賃借人が住んでいる間に物件に起こった損害を修理することです。
この修理には、借主のミスや不注意によるものが含まれますが、普通に使っている中で起こる自然な摩耗は含まれません。
原状回復の費用は通常、敷金から支払われますが、敷金が足りない場合は追加料金が必要です。
2020年の法改正により、通常の使用で起こる経年劣化や通常損耗については、借主が修理する義務はなくなりました。
物件を借りる際は、特別な契約条件がないかを確認し、住んでいる間は定期的に掃除をして、原状回復にかかる負担を最小限に抑えることが大切です。
なお、退去費用を賢く抑えたら、次は浮いた資金で「攻めの資産形成」を考えませんか?
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