ビットコインの半減期とは
出典:Bitcoin Price | BTC Price, USD converter, Charts | Crypto.com
ビットコイン(BTC)の半減期とは「ビットコインのマイニング報酬(ブロック報酬)が半分になるイベント」のことです。
そもそも、ビットコインのマイニング報酬とは、ビットコインの取引を確認し、新たなブロックをブロックチェーンに追加する作業(マイニング)を行う人々(マイナー)に支払われる報酬です。
ビットコインには特定の発行者や管理者が存在しないので、通貨の新規発行や取引を承認するためには、正しく取引が記録されているかを検証する行為(マイニング)が必要になります。
マイナーたちはこの報酬を得るために、高性能のパソコンを用意し、難しい検証作業を行っています。
マイニング報酬として得られるビットコインの枚数は、約4年に1度だけ半減するように設計されており、これによりマイナーの報酬は、現在の6.25BTCから3.125BTCに減少します。
ビットコインに半減期がある理由
ビットコインに半減期があるのはなぜでしょうか、その理由は「市場に流通するコインの総量を抑えて、通貨価値の安定化を図るため」です。
日本円や米ドルなどの法定通貨は、中央銀行が市場に流通する通貨の量を調整して通貨価値の安定化を図っています。
しかし、ビットコインには中央銀行のような管理団体がないため、流通量の調整ができません。
通貨を発行する技術さえあれば無限に通貨を生み出すことができてしまいます。
そこで設けられたのが、半減期という仕組みなのです。
ビットコインは、誕生した当初から発行上限数が2,100万枚と決められています。
もし半減期がなければ、マイニングのスピードがどんどん加速し、すぐに発行上限数を迎えてしまう可能性ががあります。
さらに、マイニングが進みすぎて、市場に需要を上回る量のビットコインが流通してしまうと、通貨価値が短期的に大きく下落してしまうかもしれません。
半減期は新規発行のペースを緩やかにするとともに、急激なインフレを防ぐ役割を担っているのです。
ビットコインの半減期は2024年4月20日午前9時
2024年に予定されているビットコイン半減期は、2024年4月20日午前9時に発生しました。
半減期が訪れるタイミングは、前回の半減期から21万ブロックが生成された時と決められています。
2024年4月17日時点では、すでに99.84%のブロックが生成されており、次の半減期まで残りのブロック数はあと約330個となっていました。
ちなみに、ブロックは約10分に1個ずつ生成され続けていきます。
半減期を迎えた4月27日時点では、次の半減期に向けてカウントダウンが再スタートしました。次の半減期は2028年4月17日と予想されています。
これまでの半減期とビットコインの価格
ビットコインは、誕生してから現在までにすでに3回の半減期を経験しています。
ビットコインの半減期は、不規則に行われているのではなく、一定のルールに沿って行われています。
そのルールというのは、ビットコインの取引が記録されたブロック数が21万ブロックに達したときに半減期が行われるというものです。
ビットコインは、1ブロックが生み出されるのに約10分かかるため、21万個のブロックを生成するには約4年の時間がかかります。
過去3回の半減期からも約4年周期でビットコインの半減期が訪れてきました。
ここでは、過去の半減期においてどのような動きがあったのか解説します。
1回目の半減期(2012年)
2012年11月28日、初めての半減期でビットコインのマイニング報酬が50BTCから25BTCに減少しました。
その後の1年間(2013年11月28日まで)のビットコイン価格を見てみると、2012年11月当時のビットコインの認知度は極めて低く、安値12ドルだったのが、その後12ヶ月間(2013年11月28日まで)で高値1120ドルまで9233%も上昇しました。
2回目の半減期(2016年)
2016年7月9日、ビットコインのマイニング報酬は25BTCから12.5BTCに減少しました。
その後12ヶ月間(2017年7月9日まで)のビットコイン価格は、2016年7月の安値624ドルから2017年7月の高値2856ドルまで357%も上昇しています。
この頃からビットコインの半減期が、ビットコインの価格上昇に影響を与えるという認識が一般に広まりました。
3回目の半減期(2020年)
2020年5月11日、ビットコインのマイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに減少しました。
その後12ヶ月間(2021年5月11日まで)のビットコイン価格を見てみると、2020年5月の安値9446ドルから2017年3月の高値58763ドルまで521%も上昇しています。
3回目の半減期後に大きく価格が上昇したことは、ビットコイン市場が供給の変化に対して敏感に反応していることを示しています。
これは、ビットコインが投資対象として大きく注目されたとも言えます。
ビットコインの半減期は何回訪れるのか
全てのビットコインの半減期が終わるのは、2140年ごろだと考えられています。
それまでに、ビットコインの半減期は全部で33回行われ、発行枚数が上限に達した時点でビットコインの新規発行が終了します。
その後もマイニング自体はなくなりませんが、2140年以降のマイニング報酬はゼロとなります。
マイナーはトランザクション手数料(コインを移動させるための取引手数料)のみを報酬として得ることになります。
発行上限に達したビットコインがどうなるかは意見が分かれるところです。
希少価値が高まり価格が上昇するという予測もあれば、逆に価格が安定して法定通貨のように日常的に使いやすくなるという意見もあります。
半減期を迎えてビットコインの価値は上がるのか?
2022年のビットコインは「冬相場」とも呼ばれる弱気相場を経験しました。
2023年には、ビットコイン市場は大きく反発し、2024年4月時点で、ビットコインの価格は半減期を待たずして既に上昇傾向にあります。
2024年3月には過去最高値を更新し、7万3千ドルを超えた価格がついていました。
2024年には、半減期以外にも、ビットコイン市場にとって数年に一度の好機となる強気要因をいくつか備えています。
●FRB(米連邦準備制度)の金利引き下げ(ハト派転換)
●ビットコインETF(上場投資信託)の取引開始
ビットコインETFは、金融商品取引所に上場している投資信託であり、投資家は株式などと同様に証券口座を通じて間接的にビットコインに投資できるようになりました。現
物型のビットコインETFは、実際のビットコインを購入して運用することができます。
投資家保護などの観点から長年にわたって米国の規制機関から認められなかったビットコイン現物ETFは、2024年1月11日についに承認されると、取引開始からわずか5日間で約12億ドルの純資金流入を記録しました。
特に、ブラックロックのIBITやフィデリティのFBTCは、ETFの取引開始から17日間で30億ドル(4400億円)以上の資金流入をそれぞれ確保し、発売後1か月間のETF資産流入ランキングトップ2に名を連ねました。
ビットコイン現物ETFの動向以外にも、米国の金融政策もビットコインの価格に影響を与える重要な要素です。
2023年11月以降、世界的な利上げサイクルが一旦停止し、その後FRBは早期の利下げ期待をけん制しつつも、2024年2月まで4会合連続で政策金利を据え置く状況となっています。
金融緩和開始への期待を高め、多額の資金がビットコイン市場へ流入することが見込まれます。
出典:Bitcoin Price | BTC Price, News, USD converter, Charts | Crypto.com
2024年5月23日時点では、半減期を迎えてから1ヶ月が経過しました。
半減期を迎えた4月20日から価格の上昇が見られ、6万7千ドルを超えました。その後、少し落ち着いて6万4千ドルと半減期前とほぼ同じラインを推移していましたが、5月21日には7万ドルを突破し、現時点でも6万9千ドルとなっています。
まとめ
ビットコインの半減期は、ビットコインが新たに市場に流れる量を減らすイベントです。これによりビットコインの希少性が高まり、価値が上がる可能性があります。
過去の半減期を見ると、このイベントがビットコイン価格にプラスの影響を与えていますが、投資には常にリスクが伴います。
この半減期を理解することは、ビットコインに興味がある人や投資を考えている人にとって非常に重要です。
将来の市場の動向を予測する手助けとなり、より賢い投資決定をするための基礎知識となるでしょう。
今後の推移を見守っていきましょう!
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