管理会社の役割とは?
管理会社の基本的な業務内容
管理会社は、物件の管理や運営を代行する会社です。
具体的な業務内容は大まかに分けると建物管理と入居者管理、資金管理の3つです。
(1)建物管理
所有物件が遠方にあったり、本業が忙しくて時間が取れなかったりする場合は、頻繁に実際の物件の様子を見ることができません。
そのため、細かい清掃状況の確認や修繕が必要かどうかの判断が難しくなってしまいます。
そこで、建物の管理を委託して、管理の専門家が定期的に確認してもらうことができます。
建物管理には、主に以下のような仕事が含まれます。
これらは、建物ごとに内容が変わり、金額も通常の管理料とは別に発生します。
●建物の状態確認のための巡回
●日常的な清掃(週1〜2回程度)
●定期清掃(数か月に1回の高圧洗浄や薬剤などを使った本格的な清掃)
●賃貸借契約に含まれる設備の点検(法律に基づく点検・整備)
●除草や樹木の剪定
●退去後のクリーニングやリフォーム
●共用部分の設備の点検や修繕
建物の劣化は、建物の資産価値の低下や入居者の満足度低下につながるので、日頃からのこまめなチェックや対応が欠かせません。
(2)入居者管理
不動産投資では、入居者の募集やクレームへの対応などが収入に直結する重要な仕事になります。入居者満足度が低いと長期契約に繋がらず、空室が発生して安定的に収益を得られません。入居者管理には、主に以下のようなものがあります。
●入居者からのクレームの受付や対応
●入居者の募集・退去後の募集のための広告掲載や手配
●入居希望者の内見の立ち会いや問い合わせへの対応
●入居のための賃貸契約締結(契約を締結や、入居に伴う注意点などの説明、鍵の引渡し)
●家賃の回収や未納者に対する督促
●契約の更新管理(更新手続きや更新状況の把握)
●退去に伴う解約の手続きや退去時の立ち会い
●入居者満足度向上のためのサービスや特典の提供
入居者管理は自分のタイミングで進めることができないため、会社員や公務員などのサラリーマンにとっては最も難しい業務です。
(3)資金管理
不動産投資では、さまざまな用途で資金が移動します。
収支を正確に把握し、将来必要になるはずの設備の修繕などのための資金をうまく確保できるよう、適切な管理が求められます。
資金管理の主な項目は、以下のとおりです。
●物件のメンテナンス費用
●入居の際の仲介手数料
●収支管理や確定申告のサポート
●現在の不動産投資の修正や新しい投資計画の立案
資金管理を委託すれば、現状や将来の資金計画に適切なアドバイスを受けられます。
管理会社の選択が投資収益に与える影響
管理会社の選択は、投資の収益性に直接影響を与えます。
信頼できる管理会社は物件の価値を維持し、入居者の満足度を高めることで、空室率を低く保ちます。
一方で、質の低い管理会社に任せてしまうとトラブルが多発し、物件の価値が下がるリスクがあります。
一般的に、管理会社へ支払う費用は月額賃料の5%程度です。
この金額には、基本的な管理業務が含まれますが、追加サービスや特別な対応が必要な場合には、別途料金が発生することもあります。
費用対効果を考慮しながら、適切な管理会社を選ぶことが重要です。
管理会社を選ぶ際の5つのポイント
(1)信頼性と実績
管理会社を選ぶ際には、その会社の信頼性と実績を確認することが重要です。
●会社の歴史と実績:長期間にわたり安定して運営されている会社は信頼性が高いです。また、管理物件の数や種類も参考になります。
●口コミや評判:インターネット上の口コミや評判を調べることで、実際の利用者の声を確認できます。
●地元での信頼性:地元での評判や実績も重要です。地域に密着した管理会社は、地元のニーズや特性をよく理解しています。
大家や仲介会社と良好な関係を築けていることも多いです。
(2)提供されるサービスの内容
管理会社の提供するサービスの内容も重要なポイントです。
●基本サービスとオプションサービス
管理会社が提供する基本的なサービスには、物件の清掃、修繕の手配、賃料の回収、入居者対応などが含まれます。
オプションサービスとしては、リフォームのコーディネート、定期的な設備点検、入居者募集の広告戦略などがあります。
これらのサービスの有無や内容を確認することで、物件や入居者のニーズに合った管理会社を選ぶことができます。
●24時間対応の有無
24時間対応しているかどうかは、トラブル発生時に迅速に対応できるかどうかに直結します。
夜間や休日に問題が発生した場合でも対応してもらえるかどうかを確認しましょう。
また、お正月やお盆は、管理会社が営業していても、普段対応してくれている修理業者が長期で休みをとっていることもあります。
その場合の対応についても確認しておくと安心です。
(3)手数料と料金体系
管理会社の料金体系も重要な選定ポイントです。
●管理費用の相場
宅地建物取引業法では、管理委託費の上限は設けられていませんが、一般に家賃の5%程度とされています。
安すぎる管理費には注意が必要です。
安い管理費には基本的なサービスしか含まれない場合が多く、後で追加料金が発生することがあります。
例えば、家賃10万円であれば、5%の管理委託費は5,000円程度とあまり高く感じられないかもしれません。
しかし、大切なのはこれによって得られるメリットです。
委託することで得られるサービスのコストパフォーマンスが高いかどうか、客観的に検討する必要があります。
●隠れたコストや追加料金に注意
契約時に明示されていない隠れたコストや追加料金がないかを確認しましょう。
例えば、賃料滞納時の督促費用や修繕時の手数料などが別途請求される場合があります。
●注意したい事例
ある管理会社では、賃料回収は基本サービスに含まれていますが、滞納が発生した場合の督促業務には追加費用が発生します。
また、緊急修理の手配には手数料が別途請求されることがあります。
これらのポイントを確認し、管理会社のサービス内容や料金体系を理解することで、適切な管理会社を選ぶことができます。
(4)コミュニケーションの取りやすさ
管理会社とのコミュニケーションの取りやすさも重要なポイントです。以下の点に注目して、管理会社の対応力を確認しましょう。
●迅速な対応と報告体制
トラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるかどうかは非常に重要です。
また、物件の状態や管理状況について定期的な報告があるかどうかも確認しましょう。
例えば、深夜に水漏れが発生した場合、管理会社が迅速に対応してくれるかどうかで被害の広がり方が大きく変わります。
信頼できる管理会社は、24時間対応の緊急連絡先を提供していて、即座に対応できる体制を整えています。
●定期的な報告
管理会社からの定期的な報告は、物件の状況を把握する上で重要です。
例えば、毎月の賃料収入や支出の報告、定期点検の結果、月次レポートなどによって、オーナーに必要な情報をタイムリーに提供してもらえるかどうかを確認しましょう。
●担当者の対応力とコミュニケーション能力
管理会社の担当者がどれだけ対応力があり、コミュニケーション能力が高いかも重要です。
信頼できる担当者がいることで、安心して物件を任せることができます。
管理会社の対応力や担当者の能力をしっかりと見極めることが鍵となります。
(5)客付け力
客付け力は営業力ともいい、入居者を募集した際に速やかに入居者を見つけ、契約締結できる力をいいます。
客付け力が高い管理会社に委託すると、空室となってしまう期間を短く抑えられるので、収益の低下を防ぐことができます。
客付け力の高さは、次の3つのポイントで測れます。
●不動産賃貸のポータルサイトへの登録、活用:近年はネットやアプリを使って、物件を探す人が増えているため、ポータルサイトの活用は必須と言えます。写真やコメントが多いなど、他の管理会社より効果的に利用しているかどうかも重要です。
●他の賃貸物件の高い入居率:似たエリアや築年数の物件の入居率が高いと、客付け力も高いと推定できます。
●仲介会社との良好な関係性:仲介会社と良好な関係を築けていると物件の紹介機会も多くなり、入居者がすぐに見つかりやすくなります。
管理会社の中には、現在の全体・エリア別の入居率や稼働率などを公開しているところもあります。
こちらの記事でも、入居率の高い物件を紹介できる管理・賃貸仲介会社について解説しています。
不動産投資は「入居率」が鍵!高入居率物件といい管理会社の選び方
高い客付け力を持っている管理会社かを測るポイントについて、以下の3つの項目を解説しています。
ポイント(1)管理戸数や賃貸仲介件数
ポイント(2)地域店舗数(エリアネットワーク)
ポイント(3)物件掲載サイト数
※過去記事の引用部分
管理会社の評価方法
気になる管理会社が見つかったら、本当にその会社に任せられるか、以下の内容で管理会社をチェックしてみましょう。
(1)現在の顧客との面談やインタビュー
実際に管理会社を利用している顧客と面談やインタビューを行い、実際の利用感を確認することが有効です。
(2)実際に管理されている物件の視察
管理会社が実際に管理している物件を視察し、管理状況を確認することも重要です。
物件の状態や管理の行き届き具合を直接確認することで、管理会社の実力を見極めることができます。
(3)契約書の確認ポイント
契約書を結ぶ段階まできたら、以下の内容をしっかりと確認しましょう。
●契約期間と更新条件
契約期間や更新条件を確認し、長期的な契約関係を維持できるかを確認します。
●解除条件とペナルティ
契約解除の条件やペナルティについても確認し、トラブル時の対応策を把握します。
不測の事態などで、不動産運営を続けられなくなった際に、契約解除ができるまでの期間が長かったり、多額の違約金を取られるといったケースがあります。
●責任の範囲とリスク分担
管理会社とオーナーの責任の範囲やリスク分担について明確にしておきます。
ここでは、重大な契約違反があった場合や保険の加入など細かなリスクを管理会社と話し合っておきます。
管理会社選びの失敗事例と対策
よくある失敗事例
●低価格に惑わされる
価格が安いだけで選ぶと、サービスの質が低く、結果的に高くつくことがあります。
●サービス内容を十分に確認しない
提供されるサービス内容を十分に確認せずに契約すると、後で追加料金が発生することがあります。
●口コミや評判を無視する
口コミや評判を無視して選ぶと、後でトラブルが発生する可能性が高まります。
失敗を避けるための対策
●複数の管理会社を比較
複数の管理会社を比較し、それぞれの強みや弱みを把握することが重要です。
●詳細なヒアリングと質問
管理会社に対して詳細なヒアリングや質問を行い、疑問点を解消してから契約しましょう。
●長期的な視点での選定
短期的な視点ではなく、長期的な視点で管理会社を選定することが重要です。
おすすめの管理会社の探し方
インターネットでの情報収集
●専門サイトや口コミサイトの活用
管理会社の専門サイトや口コミサイトを活用して情報を収集しましょう。以下にいくつかのサイトを紹介します。
・楽待
・ホームズ
●SNSやオンラインでの不動産投資フォーラム、地域情報掲示板での情報収集
SNSやオンラインでの不動産投資フォーラム、地域情報掲示板などで情報を収集し、他の投資家の意見を参考にしましょう。
専門家や同業者からの紹介
●不動産投資セミナーやイベントへの参加
不動産投資セミナーやイベントに参加して専門家や同業者と交流し、信頼できる管理会社を紹介してもらいましょう。
●投資家コミュニティの活用
SNSや不動産投資セミナーなどで人脈を広げたら、そこで紹介してもらった投資家コミュニティなどを活用し、管理会社に関する情報を収集しましょう。
まとめ
管理会社選びは不動産投資の成功に直結する重要な要素です。
信頼性、実績、提供されるサービス内容、手数料、コミュニケーションの取りやすさなど、多くのポイントを考慮し、慎重に選定することが大切です。
しっかりとした管理会社を選ぶことで、不動産投資の成功をサポートし、長期的な収益を確保することができます。
皆さんが適切な管理会社を選び、成功する不動産投資を実現できるよう願っています。
投資物件を自分で探して、さらに管理会社も選ぶということが大変でなかなか不動産投資に踏み出せない方も多いはずです。
そんな方におすすめなのが不動産クラウドファンディングです。
初めての方へ|不動産投資クラウドファンディング えんfunding
えんfundingの不動産クラウドファンディングは、創業30年を迎えた総合不動産デベロッパー株式会社えんホールディングスのグループ会社が運営しています。
ファンドの企画や物件の管理など、不動産の運用における重要なポイントを見定め、確かな経験を基にグループ一丸となって運用をサポートしてくれます。
不動産投資のスタートとしてクラウドファンディングという選択肢はいかがでしょうか。
不動産投資が学べる漫画など特典プレゼント中
漫画だから分かりやすい。不動産投資が学べる特典を無料プレゼント。お申込みはこちらから。
特典提供元:株式会社えん