フィンテックとは?「金融 × テクノロジー」で暮らしが変わる
フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。ITを使って、お金に関するサービスをより便利にする動き全般を指します。
身近な例では、スマホを使った送金もフィンテックの一つです。難しい専門サービスというより、すでに多くの人が日常的に使っているものだと考えてください。
その範囲は、支払い・家計管理・送金・資産運用・資金調達など、お金に関わるあらゆる場面に広がっています。気づかないうちに使っているサービスから、使うと得をするサービスまで、ここからは生活の流れに沿って8つを順番に見ていきます。
「払う・管理する・貯める」を変えるサービス4選
まずは日々のお金の出入りに関わる4つのサービスです。すでに使っているものもあれば、これから取り入れると生活が楽になるものもあります。
1. キャッシュレス決済|財布がいらない時代の入口
もっとも身近なフィンテックは、スマホやカードで支払うキャッシュレス決済です。
代表例は、QRコード決済のPayPay・楽天ペイ・d払い、電子マネーのSuica・iDなどです。レジでの支払いが速く、ポイント還元を受けられ、支払い履歴が自動で残るのが利点です。
出典:2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)
普及のスピードも速まっています。日本のキャッシュレス決済比率は2025年に58%まで上昇し、2025年までに4割という政府目標を達成しました。なかでもPayPayは登録ユーザーが7,400万人を超え、日本の人口の2人に1人以上が使う規模に成長しています。まだ現金中心という方も、まず一つ使ってみると変化を実感しやすいはずです。
2. 家計簿アプリ|お金の流れが見える
支払いの次は、お金の流れを把握する段階です。家計簿アプリを使えば、家計が自動で見える化されます。
出典:マネーフォワード ME|公式|人気の家計簿・資産管理アプリ
出典:Zaim
代表例は「マネーフォワード ME」や「Zaim」です。銀行口座・クレジットカード・証券口座を連携させると、複数の残高や支出をひとつの画面でまとめて確認できます。手入力の手間がなく、AIが支出のパターンを分析して節約のヒントを示すサービスもあります。
「何にいくら使っているか」が見えると、無駄な固定費に気づきやすくなります。そして家計に余裕が見えてくると、次は「お金を増やす」ことへ自然と関心が向きます。家計の可視化は、運用への第一歩を支える土台になります。
3. ネット銀行|手数料と利便性で従来銀行に差をつける
ネット銀行は、実店舗を持たない分、手数料の安さと使い勝手で従来の銀行と差別化しています。
出典:楽天銀行
出典:auじぶん銀行
代表例は「住信SBIネット銀行」、「楽天銀行」、「auじぶん銀行」などです。ATM手数料や振込手数料が一定回数まで無料になり、24時間スマホで残高確認や振込ができます。証券口座との連携や自動入出金など、日々のお金の管理を効率化する機能がそろっているのも特徴です。
給与の受け取りや自動振替を組み合わせれば、手間をかけずにお金の置き場所を整えられます。なお、手数料の無料回数などの条件は各行で異なり、変更されることもあるため、利用前に公式サイトで最新の内容を確認してください。
4. 後払い決済|手元に現金がなくても買える
後払い決済は、クレジットカードがなくても、商品を先に受け取り、後から支払える仕組みです。
出典:ペイディ
出典:メルペイの使い方〜メルペイスマート払い(定額払い)の利用シーンについて
代表例は「ペイディ」や「メルペイスマート払い」です。メールアドレスと電話番号だけで使える手軽さがあり、支払いを翌月にまとめたり、分割に対応していたりするサービスもあります。急な出費のときに、現金やカードがなくても買い物できるのが利点です。
ただし注意も必要です。手元の残高を気にせず使えるぶん、支払い能力を超えて買いすぎてしまうリスクがあります。支払いが遅れると遅延損害金が発生したり、分割払いに手数料がかかったりする場合もあります。便利な仕組みだからこそ、毎月の支払額を必ず把握し、計画的に使うことが欠かせません。
「増やす」を変えるサービス4選
ここからは、お金を増やすためのフィンテックです。投資と聞くと身構えるかもしれませんが、いずれも少額・スマホ完結で始められるものばかりです。
5. スマホ証券・1株投資|数百円から株が買える
まとまったお金がなくても投資を始められるのが、スマホ証券や1株投資です。

出典:PayPay証券
出典:SBI証券(S株)

出典:かぶミニ®(単元未満株取引) | 国内株式 | 楽天証券
代表例は「PayPay証券」、「SBI証券(S株)」、「楽天証券(かぶミニ)」などです。通常はまとまった株数の購入が必要な株式を、1株単位やワンコインから買えるのが特徴です。スマホで手続きが完結し、有名企業の株主に少額からなれます。
「いきなり大きな金額は不安」という方の最初の一歩に向いています。ただし、株価は日々変動し、購入額を下回る可能性もあります。無理のない範囲で始めることが大切です。
6. ロボアドバイザー|AIにおまかせで分散投資
ロボアドバイザーは、簡単な質問に答えるだけで、AIが自動で資産運用してくれるサービスです。
出典:ウェルスナビ
出典:THEO
代表例は「ウェルスナビ」や「THEO」です。銘柄選びも、資産配分の調整も自動で行われるため、知識がなくても世界中への分散投資を少額から始められます。手間をかけずに運用したい人に向いています。
一方で、手数料は年率1%前後と、自分で投資信託を買う場合より割高になりがちです。仕組みや手数料、運用実績の詳しい比較は、以下の記事で解説しています。あわせて読むと、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

ロボアドバイザーが気になるサラリーマン必見!投資デビューのための賢い資産運用ガイド
7. 自動積立・つみたて投資|「ほったらかし」で続けられる
自動積立は、毎月決まった額を自動で買い付け、手間なく投資を続けられる仕組みです。
代表例は新NISAのつみたて投資枠や、各証券会社の自動買付サービスです。毎月一定額を買い続けることで、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになり、高値づかみを避けやすくなります。感情に左右されず淡々と続けられるのも利点です。
投資でもっとも難しいのは「続けること」だと言われます。それを仕組みで解決するのが自動積立の強みです。なお、長期での運用を前提とした方法であり、短期の値動きに一喜一憂しない姿勢が求められます。
8. 不動産クラウドファンディング|1万円から始める不動産投資
不動産クラウドファンディングは、ITを活用した新しい形の不動産投資です。
複数の投資家からインターネット経由で資金を集め、不動産を共同で運用し、その利益を分配する仕組みです。スマホで完結し、現物の不動産投資のような多額の自己資金やローンを必要としません。1万円程度の少額から、運営会社が選んだ物件に投資できます。
ミドルリスク・ミドルリターンの投資先として、近年選択肢に加える人が増えています。ただし元本が保証されているわけではなく、運用期間中は原則として途中で解約できない点には注意が必要です。仕組みやリスクの詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。

いま注目の不動産クラウドファンディングの仕組みとは?他の投資との比較やメリットも徹底紹介
あなたに合ったフィンテックの始め方
ここまで8つのサービスを見てきました。多くの方が、すでにいくつかを使っていたのではないでしょうか。
この記事の要点を振り返ります。
●フィンテックとは、金融とITを組み合わせ、お金に関するサービスを便利にする動き全般を指す
●サービスは「払う・管理する・貯める・増やす」の流れで整理でき、多くは少額・スマホ完結で始められる
●「払う・管理する」段階…キャッシュレス決済、家計簿アプリ、ネット銀行、後払い決済
●「増やす」段階…スマホ証券・1株投資、ロボアドバイザー、自動積立、不動産クラウドファンディング
●すでに決済や家計簿を使っている人は、次のステップとして「増やす」サービスを一つ検討する
キャッシュレス決済や家計簿アプリをすでに使っている人は、「払う・管理する」の段階はクリアしています。次のステップは「増やす」です。スマホ証券や自動積立など、少額から始められるものを一つ選んでみてください。
これからの人は、まずハードルの低いものを一つだけ取り入れるところから始めると、無理がありません。フィンテックの本質は、お金の管理と運用を誰でも簡単にできるようにしたことにあります。
完璧な知識を身につけてから動こうとすると、いつまでも始められません。まずは小さく試し、慣れながら次の一歩へ進む。それが、無理なく資産形成を続けるいちばんの近道です。
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