最近よく耳にするワードとして「NFT」があげられます。
それとともに「仮想通貨」も切り離せない存在。
さらに、これらの基盤となっているのが「ブロックチェーン」という技術です。
この時点ですでに???となった方も安心してください!ひとつひとつ紐解いていきましょう。
ブロックチェーン、わかりやすく説明すると?
インターネット上で流通する仮想通貨の「ビットコイン」は、SNSやメディアなどで一度は見聞きしたことがあるのでは?
この「ビットコイン」を成り立たせている基盤が「ブロックチェーン」という技術です。
簡単にいうと、ネット上の“取引を記録する”技術のことをいいます。
ブロックとは、過去の取引記録の一覧のこと。チェーンとは、ブロック同士をつなぎ合わせることをさします。
過去の取引記録の一覧を1つのブロックとして、これらをチェーンでつなぎ合わせたものが「ブロックチェーン」です。
ブロックチェーンの特徴とは
「ブロックチェーン」は「分散型台帳」とも呼ばれ、銀行のようにひとつの管理機関ですべての情報を管理するのではなく、ネットワークに参加しているあらゆるユーザーのコンピュータにデータを保存します。
みんなで管理するデータがチェーンのようにつながっています。
データのどこかひとつを書き換えようとしても、後続する全てのブロックのデータも書き換えないといけないため実質不可能に近いです。
そうした側面もありセキュリティ性が高いとされています。
また、スマートコントラクトという仕組みも取り入れており、「ブロックチェーン」上で契約内容の確認、契約の履行などが自動で実行できるようになりました。
こうした技術は、食品・医療・不動産・音楽などさまざまな場面で活用できるでしょう。
実際に国内では、調剤薬局同士で「ブロックチェーン」を導入して医薬品のロスを防ぐなど、新たな取り組みに活かされています。
ブロックチェーンって何がすごいのか?
多くの人がAmazonなどのECサイトでクレジットカードを利用してあたりまえに買い物をしています。
それは、企業がコストをかけてSSL認証を導入し、通信相手がたしかに本人であることを証明する安全性があり、企業への信頼があるからこそ。
ECサイトでの買い物についで、今ではメルカリなどの個人間取引を行うサービスもたくさん利用されています。
個人間取引への心配する声もサービス開始直後にはありましたが、現在では利用ルールが定まってきていることなどのその取引を仲介する企業の活動により、安心して利用できるようになりました。
こうした現状において、企業による仲介、信頼の構築を必要とせずに、改ざんや不正のできない仕組みをつくり、誰もが価値をやりとりできるようにしたことが「ブロックチェーン」のすごいところです。
また、特定の第三者を信頼する必要がないことを「トラストレス」といいます。
信頼できる銀行や政府といった中央で管理する機関を介さずに、ネット上で価値の移転ができ、さらに特定の第三者を信頼すること抜きにトラストレスな仕組みをつくったことも革新的でした。
ブロックチェーンは誰がなんのために作ったの?
ブロックチェーンのもととなるアイデアは1991年に生まれています。
米国のBellcore社の研究者だったスチュアート・ヘイバー (Stuart Haber) とスコット・ストルネッタ (Scott Stornetta) らが、「タイムスタンプ」というセキュリティ技術を開発しました。
「タイムスタンプ」とは、総務省のホームページによると「ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術」とあります。
ヘイバー とストルネッタの開発は、今後デジタル化が進むことで文書や写真、動画や音楽などのデータを作成・変更したのはいつなのか証明する必要がでてくると見込んでのことでした。
このとき作られたのが、暗号化され、鎖のようにつながったブロックを使用してタイムスタンプを付けたデジタル文書です。日付を遡ったり改ざんされたりすることを防ぐタイムスタンプの誕生となりました。しかしながら、このテクノロジーは他で活用されることなく、ビットコイン誕生の4年前に特許は切れています。
その後、2004年に米国のコンピュータサイエンティストで暗号活動家のハル・フィニー(Hal Finney)が、ビットコイン開発の先駆けとなる「リユーザブル・プルーフ・オブ・ワーク(RPOW)」というシステムを開発しました。
これは代替不可能なトークン(※)を受け取ることによって、その報酬として、個人間で転送できるRSA署名されたトークンを発行できるシステム。この開発は、仮想通貨における重要な成果だったといえます。
※トークンとは・・・従来の硬貨や紙幣の代わりに使うデジタルマネーを指したり、ネット決済やクレカ決済の際に使う認証デバイスそのもののことを指すこともあります。
2008年にインターネット上にとある論文が投稿されました。
それは「サトシナカモト」と名乗る人物(またはグループ)によるものです。
そこでは、銀行や政府などの信頼できる中央機関を介さずネットワーク上で安全に、電子通貨「ビットコイン」を取引できる技術的な仕組みとして「ブロックチェーン」がはじめて紹介されました。
ここ最近で画期的なブロックチェーンとは?
2017年後半からのビットコインバブル以降、これを教訓に技術が躍進。2020年頃から新しい形のブロックチェーンが注目され始めました。
それが「イーサリアム(ETH)」です。
ビットコインの次なるポジションをとっているのがこちらです。
インターネット上に「ビットコイン」や「イーサリアム」などいくつも惑星があり、それぞれできることの異なる世界が広がっていると想像してみてください。「イーサリアム」という惑星では、以前のビットコインより複雑な取引や契約ができるようになりました。
これはまさに画期的なこと!
「イーサリアム」ではスマートコントラクトという機能によりブロックチェーン上で契約内容を保存して、アプリケーションやゲーム、金融業といったことまで、できることが一気に増えました。
これにより、ゲーム内のアイテムに価値をつけて保有したり販売したりする流れが登場。
この流れからコミュニティが形成されるような、コレクティブNFTの盛り上がりへと繋がっていくのでした。
最後に
仮想通貨が話題となった当初、投資対象としての「ビットコイン」に注目が集まりました。
そのため「ブロックチェーン」は「ビットコイン」を支える技術として裏方的な存在に。
しかし、インターネットのように社会の仕組みを変えうる潜在的なパワーが見直され、次第にその重要性がクローズアップされるようになりました。
技術の進歩とともに今後ますます、わたしたちの暮らしに欠かせない存在となるでしょう。
記事監修
株式会社えんメディアネット
代表取締役 坪倉 伸一氏