不動産投資の利回りとは
不動産投資における利回りは、物件を購入するために投資した金額に対する、1年間の家賃収入で得られる利益の割合を表したものです。
例えば、2,000万円の物件を購入し1か月の家賃を10万円に設定した場合、1年間で得られる家賃収入は120万円。
2,000万円に対する120万円の割合は6%。
この物件の利回りは6%です。
このように、利回りの数値によって物件の収益力を判断できます。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があり、それぞれ計算方法や意味が異なります。
利回りをひとまとめにして捉えると、予想していた利益と実際に得られる利益に大きなギャップが生まれるため、それぞれの意味を正しく理解することが大切です。
表面利回りと実質利回りの違い・計算方法
表面利回りとは、物件の価格に対して1年間で得られる家賃収入の割合です。
「グロス利回り」や「粗利回り」などと呼ばれることもあります。
広告やインターネットに掲載されている利回りのほとんどが表面利回りで、具体的な計算方法は、
表面利回り=年間家賃収入÷物件価格
例えば、1000万円の物件を購入して、1か月5万円で年間60万円の家賃収入がある場合は、
60÷1,000万=0.06(6%)
表面利回りは6%です。
対する実質利回りは、物件購入時や運営にかかる経費などを差し引いた数値を用いた、算出方法の利回りです。
表面利回りに比べると計算は複雑ですが経費を考慮しているため、算出された利回りの精度は高く、実際の利回りに近い数値を割り出せます。
具体的な計算方法は以下の通りです。
実質利回り=(年間家賃収入-年間運営経費)÷(物件価格+購入時の経費)
【例】
・物件価格:1,000万円
・家賃:1か月5万円(年間家賃収入60万円)
・年間運営経費:24万円
・購入時の経費:200万円
上記の条件のもと計算すると、
(60万-24万)÷(1,000万+200万)=0.03(3%)
実質利回りは3%だとわかります。
同じ物件価格と同じ家賃収入でも、計算方法に「経費」が考慮されているか否かで、算出される数値は大きく変動します。
実質利回りが物件情報に掲載されているケースは少ないため、物件を選定する際は、一度自分で計算することが必要です。
高利回りは危険?利回りとリスクの関係性
利回りが高い理由として、以下の2点が挙げられます。
・物件価格が安すぎる
・家賃収入が高すぎる
物件価格が安すぎる
年間家賃収入が120万円の物件で、物件価格が2,000万円であれば表面利回りは6%。
しかし、物件価格が1,200万円の場合、表面利回りは10%で、高い利回りです。
家賃が同じで物件価格が相場より極端に安い場合は、大規模なリフォームや修繕でコストがかかる可能性もあることや、今後家賃が下落傾向にある等のリスクを考慮しておきましょう。
家賃収入が安すぎる
物件価格が3,000万円・年間家賃収入が120万円の場合、表面利回りは4%。年間家賃収入が240万円だと、表面利回りは8%で倍の数値です。
物件価格が同じで家賃が相場より極端に高い場合は、キャンペーン等の特別な条件で入居が決まっていることも考えられるので、家賃は相場に近づくことで下がる可能性があるというリスクを考慮しておきましょう。
高利回りの物件には利回りが高い理由があるため、目先の利益だけでない長期的な視点を持ち、物件選びをする意識が大切です。
不動産投資における利回りの相場は物件によって異なる
不動産投資における利回りの相場は、物件の種類や立地によって異なります。
物件の種類別・エリア別の利回り相場は、以下の通りです。
出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第 46 回 「不動産投資家調査」(2022 年 4 月現在)の調査結果」
不動産投資における利回り相場は5%前後です。
ただし、現在は不動産価格の高騰の背景から利回りの低下傾向が見られ、今後も低下の傾向があります。
高利回りに惑わされず、複数の物件を比較検討をしてください。
不動産投資の利回りで注意すべきこと3選
不動産投資における利回りについて注意すべきことが3つあります。
表面利回りは経費が考慮されていない
表面利回りは、実質利回りのように経費が考慮されていません。
表面利回りで物件購入後の利益を予測している場合、「思っていたより利益を得られない」状態に陥る可能性があります。
不動産投資ではほとんどの場合、物件購入時にローンを利用するため、継続的に一定の利益を得て、返済することが必要です。
利益の予測は、物件の収益力を大まかに把握しつつ実施してください。
実質利回りを鵜吞みにしない
一般的に、物件情報に掲載されているのは表面利回りです。
実質利回りが掲載されている場合も、その数値を鵜呑みにしてはいけません。
不動産投資にかかる経費はさまざまにあるため、記載されている実質利回りに、すべての経費が含まれていない可能性もあります。
諸経費を洗い出し、一度自分で計算をして確認することが大切です。
利回りは変動する
物件購入時の利回りは、運用を実施する中で変動するため、当初の利回りは維持できません。
不動産は築年数や需要の変化によって価値が落ちると、空室リスクの上昇や賃料の値下げによる、利回りの低下が予想できます。
長期的な視点で、将来的に需要が続きそうなエリアを選ぶなど、現在の利回りと比較して、大きな変動が起きない物件を選ぶことが大切です。
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不動産投資における利回りは、物件を選定する際の判断基準として注目するべき指標です。
高利回りは高い利益が期待できる反面、空室リスクや修繕・リフォームの発生リスクなどを抱えています。
必ず高利回りの物件が最適なわけではありません。
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