えんfunding

会員登録は
こちら

Terra(UST)が一晩でほぼ0円に。ステーブルコインUSTはなぜ破綻したのか?今後の影響について

2022.05.31

コラム記事8のメイン画像 ブロックチェーン

2022年5月中旬に米ドルの価格に固定されたTerraのアルゴリズムステーブルコインであるUSTは大幅にペッグが外れる、暗号通貨市場をかつてない危機に陥れました。 ステーブルコインUSTはなぜ破綻したのか?今後の影響について考えます。


この記事の目次

Terra(UST)とは?


Terraによって開発された新しいステーブルコインUSTとは?


USTはなぜ攻撃されたのか?


大規模な売り圧が引き金となったか


今回の大暴落が与える影響は?


Terraの今後について。復活はできるのか?


Terraブロックチェーンの主軸通貨であるLUNAの価格は、2022年5月12日に初めて0.30ドルを下回り、月13日時点で0.001ドルの最低値に達し、週の初めの65ドル以上から99%以上も下落しました。

 

2022年5月13日時点で、USTは0.1ドルを下回っています。

 

この記事のポイント

・Terra(UST)はステーブルコインであり、本来は1ドルの価値があることを意味する

・USTの価値は、LUNAと呼ばれる「姉妹」トークンによって裏付けられている

・LUNAは、最高値119ドルから0.001ドル代まで暴落し、の価値は99%急落し、多くの投資家が貯蓄を失うことになった

 

Terra(UST)とは?

 

TerraのUSTは新しいステーブルコインであり、まずはステーブルコインについて説明したいと思います。

 

ステーブルコインは暗号通貨の一種です。

その価値は一般的には安定したものであり、米ドルと同等を維持することになっています。

 

テザーのUSDTや米サークルのUSDCのような伝統的なステーブルコインは、現金やその他の資産に支えられていると言われています。

 

ステーブルコインは2021年の強気市場で大幅な成長を遂げました。

 

ステーブルコインを発行しているTerraエコシステムは、2018年にDoKwonとDanielShinによって設立されたTerraformLabsというスタートアップによって作成されました。

 

Binance Labs、OKEx、Huobi Capital、韓国のUpbitの背後にある会社であるDunamuの支援を受けています。

 

 

Terraによって開発された新しいステーブルコインUSTとは?

 

USTは新しいステーブルコインとして2020年の秋にTerraによってローンチされました。

 

Terraform Labsと呼ばれるスタートアップによって作成されたUSTは、「アルゴリズム」ステーブルコインと呼ばれるカテゴリに当てはまります。

 

「アルゴリズム」ステーブルコインは、担保に依存する代わりに、インセンティブを使用して1ドルを維持するように設計されているのが特徴的です。

 

 

USTはなぜ攻撃されたのか?

 

ほとんどのステーブルコインはドルなどの現金によって裏付けられており、各コインの価値に見合うだけの十分な流動資産が手元にあることになっています。

 

しかし、Terra(UST)の場合は、「アルゴリズム」のステーブルコインであり、その価格は、事前にプログラムされた「スマートコントラクト」で実行されるLunaと呼ばれる「姉妹」トークンによって裏付けられています。

 

往来のステーブルコインとは異なり、USTは米ドルに支えられておらず、USTの価格が1ドルを上回ると、LUNAをバーン(燃焼)することで1USTを獲得できる、逆にUSTの価格が下落した場合は、1USTを1ドル相当のLUNAと交換できる仕組みとなってます。 たとえば、USTが0.95ドルに下落した場合、トレーダーはUSTを使ってLUNAを購入するため、USTの供給が減少し、少なくとも価格が上がることになります。

 

つまり、Terra(UST)が1ドルを下回ると、Lunaトークンと交換でき、理論的には、両方の価格を安定させることを意味します。

 

 

このような、「スマートコントラクト」の複雑な組み合わせを通じて、各USTトークンの値を可能な限り1ドルに近づけるようにしています。

 

しかし、この複雑なアルゴリズムが今回のような大暴落を引き起こしました。

 

大規模な売り圧が引き金となったか

 

今回の引き金となった中心にあるのがTerraのUSTで利回りを出しているAnchorプロトコルと呼ばれる存在です。

 

Anchorは、プラットフォームにUSTを預けるユーザーに、年間最大20%の利回りを提供する役割を担っています。

 

Anchorのダッシュボードによると、USTの流通供給量はこの1年で20億ドルから一時は185億ドルまで急増していました。

 

最も初期の兆候の1つは、このAnchorアンカーのUST預金が減少し始めたときに起こりました。

 

大暴落が起きる前、アンカーはUSTの全循環供給の75%を占めており、180億ドルのうちの140億ドル分のUSTを保有していました。

 

しかし、Anchorの報酬の支払いはユーザーへの利回り支払いを準備金でカバーできなくなり、破綻してしまいました。

 

そこで大規模な売り圧が発生し、これによってLUNAとUSTの両方の価格が急激に下落し、最終的に、LUNAの時価総額は200位台まで転落しました。

 

このような流れで、市場でも売りのアクションが加速し、結果的に価値はほぼ0円となりました。

 

今回の大暴落が与える影響は?

 

今回の大暴落によって、仮想通貨市場全体に影響が出ており過去24時間(2022年5月12日午後1時)に11.84%下落しています。

 

実際にビットコインは、1日で15-20%近く暴落しました。

 

Tradingview

 

つられてイーサリアム、そのほかアルトコインも大幅に下落しています。

 

ただし、実際のドルを裏付け資産として保有しているテザーUSD(USDT)とUSDコイン(USDC)などの他のステーブルコインに関しては、仕組みが別物であるため、直接的に暴落するとは考えにくいです。

  

Terraの今後について。復活はできるのか?

 

Terraブロックチェーンは、ほぼ完全に崩壊しました。

 

USTステーブルコインは3日連続で1ドルを下回り、その姉妹トークンであるLUNAは2022年の高値から99%以上も下落しています。

 

 

さらに5月13日の公式ツイッターでは正式にブロックチェーンを停止したことを発表しています。

 

 

 

今後は、数々の取引所で取り扱いが停止されてきており、流動性を失いつつも、一部の取引所に資金が集中し、価格は乱高下を繰り返していくことが予想されます。

 

 

 

今回のようなアルゴリズムのステーブルコインの重大なリスクを今後の重要な教訓として理解しておく必要があります。

 

・仮想通貨市場は短期的に数百%の利益を得られる可能性がある

・ステーブルコインを保有しておけば、変動の大きい仮想通貨のリスクを抑えられる

 

仮想通貨市場やステーブルコインには上記のようなメリットがありますが、同時に以下のようなリスクが伴うことも理解しておく必要があります。

 

・仮想通貨は株式市場など他の金融商品よりもはるかに高いリスクがある

・アルトコインは1日で数百%暴落することがある

・ドルで固定されたステーブルコインでさえ、破綻する可能性がある

 

このように仮想通貨の中でも比較的安定しているはずのステーブルコインでさえ、今回のように100%近く暴落することがあります。

 

USTにおける年間最大20%の利回りという高利回りを出し続ける仕組みを維持することはなかなか難しく、その限界が見えたのかもしれません。

 

仮想通貨取引は高いリスクを理解した上での投資を目的とした場合には非常に大きな可能性のあるおもしろい取り組みですが、安定した資産形成をしたい方にはあまり向いていません。

 

安定した資産形成を考える方には投資信託や不動産投資がオススメといえます。

 

 

不動産投資が学べる漫画など特典プレゼント中

漫画だから分かりやすい。不動産投資が学べる特典を無料プレゼント。お申込みはこちらから。

特典プレゼントバナー

特典提供元:株式会社えん

 

この記事をシェア

New Member Registrationえんfundingで
不動産投資はじめよう。

会員登録はこちら