金利上昇が不動産に与える2つの影響
金利上昇が不動産に与える主な影響は以下の2つです。
(1)不動産価格が高騰する
(2)不動産投資のローン返済金額が上昇する
1つずつ詳しく解説します。
(1)不動産価格が高騰する
金利上昇が不動産に与える1つ目の影響は、不動産を購入する際に生じます。
金利が上昇することで、建築資材や建築人件費等も上昇し、物価があがります。
そして、事業者(デベロッパー)が不動産を建築する際に、借り入れを活用することから資金の調達コストも上昇します。
それに伴い、不動産価格が高くなってしまうという影響があります。
(2)不動産投資のローン返済金額が上昇する
不動産投資のローン返済時に金利上昇が起きると、返済額に影響がおよびます。
一般的に、不動産投資では物件を購入する際、ローンを利用します。
物件を運用して得られる利益から毎月ローンを返済しているケースがほとんどです。
金利上昇がローン返済中に起こると、当初は物件の購入価格とローンの返済額を合わせて3,000万円の予定でも、ローンの返済額が増えてしまい返済合計額が3,000万円以上になることもあります。
返済額が増えれば、不動産投資で得られる利益分も減ってしまうため、不動産投資における金利上昇は悪影響を及ぼしかねません。
なお、以下の記事で不動産価格が高騰しても不動産投資を始めるべきかを詳しく解説しています。金利上昇を上手く活用する方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
金利上昇が起こる背景
金利上昇が起こる背景には、世界的なインフレがあります。
インフレとは物価の上昇や通貨の価値の下落を意味し、供給不足や労働者不足などが原因です。
物価が上昇するとなれば、消費者は「お金を借りてでも物価が上昇する前に買い物をしよう」と考え、購買意欲が高まると予測できます。
一方で、消費行動が活発化し、モノやサービスが売れやすくなれば、各企業は利益を増やすために価格をさらに高く設定しようとします。
このような継続的な物価の上昇を防ぐために行われるのが、金利上昇です。
金利が上昇すれば、世にお金が出回りにくくなります。
「金利が高いからお金を借りてまで高い買い物をするのはやめよう」と、消費者の購入意欲が減少するからです。
その結果、各企業はモノ・サービスが売れるよう価格を下げるため、物価の上昇を抑えられます。
金利上昇は物価上昇の抑制や維持を目的として行われるのです。
インフレが起こる背景や現在の世界経済を理解した上で、インフレ対策に有効な不動産投資の情報をお届けするこちらの記事も合わせてお読みください。
不動産投資がインフレに強い理由とは?対策が必要な4つのリスク
今後金利はどのように変動する?
日本では、2024年7月31日に政策金利0.25%の利上げが実施されました。政策金利とは、景気や物価を安定させるために日本銀行が行う短期金利です。一般的に好景気になると政策金利を上げ、不景気になると金利を引き下げます。
2016年2月に日本銀行が導入したマイナス金利政策により、今日まで金利は低い値で推移していました。しかし、日本全体の賃金上昇やコロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻による供給不足の影響もあり、物価上昇を抑えて景気を安定させるために金利を引き上げたとされています。
政策金利上昇によって住宅ローン金利が上昇した金融機関もいくつかあります。
住宅ローン金利が2025年1月返済分から上昇する金融機関と上昇割合は以下のとおりです。
・三井住友銀行(+0.15%)
・みずほ銀行(+0.15%)
・三菱UFJ銀行(+0.15%)
・りそな銀行(+0.15%)
・住信SBIネット銀行(+0.25%)
なお、5年・125%ルールが適用されていれば、すぐに大きな負担とはなりにくいですが、それでも返済額における利息の割合は大きくなってしまいます。
さらには、2025年1月には追加で0.25%の追加利上げが予定されています。
日本全体で金利が上昇傾向にあるため、不動産価格にも影響が出る可能性は高いと言えるでしょう。
金利上昇時の対策は主に2種類
金利上昇時の対策は主に以下の2種類があります。
(1)繰り上げ返済をする
(2)借り換えをする
それぞれ解説していきます。
(1)繰り上げ返済をする
金利上昇時の対策としては、繰り上げ返済がおすすめです。
金利は借入金額に対する割合であるため、繰り上げ返済をして借入金額を減らせば、その後に支払う利子も少なくなります。
例えば、金利が1%で借入金額が3,000万円の場合、発生する利子は30万円です。
借入金額が3,000万円のままで金利が1.5%になれば、利子は45万円、返済額は3,045万円に増加します。
ただし、金利上昇前に1,000万円を繰り上げ返済すれば、金利のかかる借入金額は残りの2,000万円が対象です。
金利が1.5%に上昇した場合でも、2,000万円×1.5%で利子は30万円となり、繰り上げ返済分を含めても合計の返済額は3,030万円と、繰り上げ返済をするかどうかで返済額に差が生じます。
資金に余裕があれば繰り上げ返済をしましょう。
金利のかかる借入金額を少なくすることで、金利上昇時の返済額の増加を防止できます。
(2)借り換えをする
金利上昇時の対策として、借り換えを行うのも一つの方法です。
借り換えとは、現在借り入れている金融機関から金利の低い金融機関に変更を行うことです。
今後日本全体でより金利が上昇する可能性があります。その影響で各金融機関も金利を上げる可能性が高くなります。少しでも金利の低い金融機関を利用することで、トータルの返済額を減らせるため、検討してみるのがおすすめです。
注意点として、事務手数料や登記関連費用などの諸経費が発生する場合があります。借り換え先の金利だけではなく、全体でかかる費用を考慮するようにしましょう。
金利上昇は必ずしもデメリットではない!
一見すると、金利上昇は不動産投資に悪影響しか及ぼさないように感じられますが、金利上昇は必ずしもデメリットになるわけではありません。
もともと金利上昇は、物価の上昇によって引き起こされ、物価の上昇は賃金の引き上げにつながります。
賃金が引き上げられれば、家賃が高くなっても契約できる消費者が増えるため、投資家にとっては家賃を上げるよい機会です。
金利上昇は家賃の引き上げや物件の価値向上につながるため、短期的にみるとデメリットが多い反面、長期的にみると投資家にとってはメリットがあるのです。
不動産クラウドファンディングは金利上昇のよい影響を受けられる
現物不動産投資では、金利上昇によってローンの返済額が増加するなどのデメリットがあります。
不動産投資には他にも「不動産クラウドファンディング」や「REIT」などの方法があり、不動産クラウドファンディングであれば、金利上昇のよい影響のみを受けられる点が魅力です。
REITは、複数の投資家から資金を集め、複数の物件を購入・運用する金融商品です。
ただし、REITではローンを活用して不動産を購入するため、金利上昇によるローン返済額の増加といった影響を受けやすく、利益も少なくなる傾向があります。
一方で不動産クラウドファンディングは、ローンを活用せず、投資家からの出資金のみを利用して不動産を運用する事業者がほとんどです。
ローン返済額の増加など金利上昇による影響を受けません。
また、不動産クラウドファンディングの多くの事業者では、1万円~という少額から投資が可能です。
自己資金の範囲内で投資を行えば、ローンを活用する必要がなく、金利上昇の影響を受けません。
なお、昨今の日本では不動産クラウドファンディング市場が拡大中です。以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
不動産クラウドファンディング市場拡大中!その理由とメリット・デメリットを解説
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不動産投資において金利上昇がもたらす影響は以下の2つです。
●不動産を売却する際の影響
●不動産投資のローン返済に関わる影響
金利が上昇すると、想定より低い金額で不動産を売買しなければならなかったり、ローンの返済額が増えてしまったりと、悪影響がおよびます。
しかし、デメリットだけでなく、家賃の価格をあげられるなど、投資家にとってはメリットもあります。
不動産投資の中でも不動産クラウドファンディングは、金利上昇の良い影響だけを受け取れる不動産投資方法です。
不動産クラウドファンディングをはじめるのであれば、「えんfunding」がおすすめです。
えんfundingは、プロが厳選した物件を対象とし、「優先劣後方式」という投資家の損失リスクを抑える仕組みが採用されています。
1口1万円から気軽に投資できるため、えんfundingで不動産投資をはじめてみましょう。
なお、以下の記事では、優先劣後方式について詳しく解説しています。不動産クラウドファンディングにおける投資家が優遇されやすい仕組みですので、ぜひともご覧ください。
不動産クラウドファンディングにおける「優先劣後方式」!徹底解説!!
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