現状の不動産クラウドファンディングの市場規模は上昇中
不動産特定共同事業(FTK)のクラウドファンディングの案件数と出資募集額は、国土交通省「不動産証券化の実態調査」によると、拡大傾向にあります。
2018年〜2023年の過去6年間の案件数は以下の通りとなっています。
また、2018年〜2023年の過去6年間の出資募集額についても案件数同様に、市場規模が拡大しています。
2019年と2023年の数値を比較すると、案件数は20.3倍、出資募集額は79.3倍です。
この数字からも不動産クラウドファンディングの市場規模は近年、急速に成長していることがわかります。
※参照:国土交通省 不動産・建設経済局 不動産市場整備課「不動産特定共同事業の利活用促進ハンドブック」
今後の不動産クラウドファンディング市場規模が拡大予測される2つの理由
不動産クラウドファンディングの市場規模は、世界でも日本でも今後拡大していくと予測されます。
その2つの理由を解説します。
(1)不動産クラウドファンディングの本場であるアメリカで活発化している
(2)世界の不動産クラウドファンディング市場規模が拡大している
ひとつひとつ見ていきましょう。
(1)テクノロジーの活用で不動産クラウドファンディングの本場で活発化している
不動産クラウドファンディング市場の約4割を占めているアメリカは、不動産クラウドファンディングの本場とも言われています。
2008年のリーマンショック後、株式より回復率が良かった不動産投資に関心が高まり、アメリカの不動産クラウドファンディング市場が活発化しました。
アメリカで不動産クラウドファンディングが活発化した要因は、「テクノロジーの活用」です。
アメリカの不動産クラウドファンディング市場では、テクノロジーの活用による差異化で、事業者の成長に影響しています。
不動産クラウドファンディング事業を行うある企業は、テクノロジーを活用しない労働集約型のビジネスモデルでした。
そのため、投資不動産や投資家が増えるたび人員増加が必要で、結果として収益性が下がり、資金調達に失敗してしまいました。
その一方で、テクノロジーの活用により、スマホで現在の投資状況がわかるようにするなどのユーザーの利便性と、サービス運営における人的リソースの削減を実現した企業もあります。
サービス運営における人的リソースを削減できたことにより、資金調達が安定的にできるようになり、投資家への高い収益性も見込めます。
(2)世界の不動産クラウドファンディング市場規模が拡大している
世界の不動産クラウドファンディングの市場規模は、2021年は100.78億ドル、2030年までの予測期では、年平均成長率は45.6%と予測されています。
不動産クラウドファンディングは、今までの不動産投資とは異なり、オンラインプラットフォームを利用して投資ができることで、より多くの投資家が取引に参加できるようになりました。
現在、世界中の住宅及び商業の建設が増加していることもその成長を支えています。
さらに、近年はポートフォリオの多様化とリスク軽減を目指す投資家が世界的に増えていることもあり、不動産クラウドファンディングは人気を集めています。
※参照:Polaris Market Research「Global Real Estate Crowdfunding Market Size Report, 2022 – 2030」
https://www.polarismarketresearch.com/industry-analysis/real-estate-crowdfunding-market
この記事では、不動産クラウドファンディング市場は拡大していると解説していますが、実際に始めると口コミを気にする方も多いのではないでしょうか。口コミが良すぎても悪すぎても不安に感じる方も多いかもしれません。
以下の記事では、不動産クラウドファンディングの口コミ・評判を見極める方法を詳しく解説しています。投資で失敗しないためにも、ぜひとも最後までご覧ください。
不動産クラウドファンディングの評判は嘘だらけ?口コミ・評判を見極める方法を解説!
不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大している5つの理由
日本国内の不動産クラウドファンディングも世界と同様に拡大傾向です。
その理由は主に以下の5つです。
(1)少額から投資できる
(2)収益性が高い
(3)透明性が高く、安全性の認知が拡大している
(4)不動産投資が広く認知されている
(5)国が不動産クラウドファンディングを促進している
ひとつひとつを解説していきます。
(1)少額から投資できる
不動産クラウドファンディングは少額から不動産に投資ができます。
不動産投資は、株式投資などに比べてハードルの高い投資と言われています。
一方で不動産クラウドファンディングは1口1万円から投資が始められるため、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。
また、不動産クラウドファンディングなら、投資した物件の管理や運営は事業者が行います。
投資家は基本的に何もする必要がなく、手軽な不動産投資の手法です。
(2)収益性が高い
不動産クラウドファンディングが拡大している背景には、低リスクかつ高い収益性という理由があります。
不動産クラウドファンディングは、投資リスクを抑える「優先劣後方式」や「マスターリース契約」という仕組みがあります。
また、不動産クラウドファンディングは、株式投資のような大きな値動きがありません。
安定した収益が見込めるため、投資初心者をはじめ、すでに株式や金などの投資をしている人にとっても魅力的な投資です。
対象についても居住用住居や商業施設など、投資できる物件の種類や条件がさまざまあるため、選び方次第では大きなリターンを狙えます。
(3)透明性が高く、安全性の認知が拡大している
不動産クラウドファンディング事業者になるには国からの免許を得る必要があり、誰でも事業を始められるわけではありません。
そのため、不動産クラウドファンディングは参入事業者が限られ、高い透明性が担保されています。
不動産クラウドファンディング事業者の透明性により、安全性の面でもリスクが低く、それが近年の認知拡大の要因となっています。
(4)不動産投資が広く認知されている
不動産投資は以前から手堅いリターンが見込める投資手法として、認知されていました。
その不動産投資の延長線上として登場したのが、不動産クラウドファンディングです。
不動産クラウドファンディングに比較的安心して興味を持つ方が増えました。
まったく新しいものに投資するとなると、多くの人は躊躇してしまいます。
その点、不動産投資をベースにしている不動産クラウドファンディングは抵抗が少ない方も多かったとも言えます。
これが不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大した理由の一つです。
(5)国が不動産クラウドファンディングを促進している
日本において、不動産クラウドファンディングは政府の支援により急成長を遂げています。
近年、金融庁はクラウドファンディングに関する規制を緩和し、多様な投資家が参加しやすい環境を整えています。
特に、少額から投資できる仕組みは、個人投資家にとって大きな魅力となっています。
また、教育や情報提供も重要な役割を果たしており、セミナーやオンライン講座を通じて投資家の理解を深めています。
その結果、安全性や透明性が向上し、信頼性のある投資先としての地位が確立されています。
これらの要因が相まって、日本の不動産クラウドファンディング市場は今後も拡大していくと期待されています。
なお、以下の記事で不動産クラウドファンディングについて初心者向けに詳しく解説しています。
これから始めようかなと考えている人は必見です。ぜひ最後までご覧ください。
不動産クラウドファンディングとは?少額で始められる副業として注目されている!
不動産クラウドファンディング市場が拡大する3つのメリット
不動産クラウドファンディング市場は日本を含めて世界中で拡大傾向にあります。では拡大するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
この章では不動産クラウドファンディング市場が拡大する3つのメリットを解説していきます。
(1)サービス品質の向上
(2)透明性・信頼性がアップする
(3)投資家から注目されやすくなる
ぜひ最後までご連絡ください。
(1)サービス品質の向上
不動産クラウドファンディングの競争が激化する中、各サービスは顧客満足度を高めるために積極的にサービス品質を向上させています。
Webサイトの改善やカスタマーサポートの強化、投資プロジェクトの厳選など、投資家にとってより魅力的な環境が整いつつあります。
この結果、投資家は安心して資金を投じることができ、今後も不動産クラウドファンディング市場の規模が拡大していくと予想できるのです。
(2)透明性・信頼性がアップする
不動産クラウドファンディングは、投資家に対してプロジェクトの詳細情報や進捗状況をリアルタイムで提供する必要があります。
この透明性の向上は、信頼性の強化にもつながり、投資家はプロジェクトのリスクやリターンをしっかりと理解できるため、より多くの人々が安心して投資に参加できるようになります。
結果として、信頼性の高い業者が増え、市場全体の成長が促進されるのです。
(3)投資家から注目されやすくなる
最近の経済情勢や低金利環境を背景に、不動産投資はますます魅力的な選択肢として浮上しています。
その中でも不動産クラウドファンディングは、少額から投資できる手軽さや、専門家の選定したプロジェクトへのアクセスを提供することで、幅広い投資家層から注目されています。
このようなニーズの高まりに応える形で、市場は拡大し続けるでしょう。
不動産クラウドファンディング市場が拡大する2つのデメリット
不動産クラウドファンディング市場が拡大するとデメリットもあります。
(1)希望通りのプロジェクトに投資できない
(2)利益が出るとは限らない
これら2つを解説していきます。
(1)希望通りのプロジェクトに投資できない
不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大するとその分、競争率も高くなるため、希望するプロジェクトに投資しようとしてもできない場合があります。
プロジェクトの募集方法は、抽選と先着の2種類あり、人気のサービスでは抽選倍率が高くなったり、すぐに完売したりと希望のプロジェクトに投資できない可能性が高くなります。
市場拡大することで投資出来るプロジェクトも増えますが、希望が通らないこともあるため、工夫してプロジェクトに応募するようにしましょう。
(2)利益が出るとは限らない
不動産クラウドファンディングにおいては、投資家が期待するリターンを得られないリスクがあります。
各プロジェクトには固有のリスクが伴い、予想外の市場変動や物件の管理不全などが利益を圧迫する可能性があります。
また、プロジェクトによっては運営費用や手数料が高く、最終的な利益が減少することも考えられます。
投資家は、利益を得られるかどうかを確認するため、事前に十分なリサーチとリスク管理を行うことが重要です。
なお、以下の記事では不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットを詳しく解説しています。気になる方はぜひ最後までお読みください。
不動産クラウドファンディングの4つのメリットと5つのデメリット
不動産クラウドファンディングがおすすめな人の特徴5選
さまざまな理由で拡大傾向にある不動産クラウドファンディングは、幅広い人におすすめの投資です。
主におすすめな方の特徴は以下の5つです。
(1)中期で収益を獲得したい人
(2)少額から投資に挑戦したい人
(3)将来、不動産投資を考えている人
(4)手間をかけたくない人
(5)安定した利益を獲得したい人
それぞれを見ていきましょう。
(1)中期で収益を獲得したい人
不動産クラウドファンディングは短期間で収益を得たい人ではなく、中期で収益を得たい人におすすめな投資手法です。
短期的に収益を得たいなら、リアルタイムで取引ができる株式やREIT、長期的に収益を得たいなら、つみたてNISAや投資信託などの投資手法があります。
不動産クラウドファンディングは、株式と投資信託などのちょうど間くらいのタイムスパンで収益を獲得したい人に向いている投資手法です。
不動産クラウドファンディングは一般的に、物件ごとに運用期間が設定されています。
運用期間は案件によって異なり、短期の案件で3か月、長期の案件は数年の設定です。運用期間中は自由に資金を移動できません。
そのため、物件の設定された運用期間(数か月〜数年)で着実に利益を出したい人に適しています。
不動産クラウドファンディングは不動産投資と異なり、売却相手が見つからなくて困るというリスクが小さいため、現金化しやすいという部分も人気の理由です。
(2)少額から投資に挑戦したい人
不動産投資は通常、多額の資金を必要としますが、クラウドファンディングを利用すれば少額から始めることができます。
一口1万円から投資ができるため、資産運用を試してみたいがリスクを大きく取りたくない方に最適です。
少額投資が可能なため、若い世代や資産形成を始めたばかりの人々にとって、投資の敷居を大きく下げるものとなるでしょう。
初めての投資に挑戦する際のリスクを抑えることができ、安心してスタートできるのが魅力です。
(3)将来、不動産投資を考えている人
将来的に不動産投資を行いたいと考えている方にとって、不動産クラウドファンディングは非常に良い練習の場となります。
実際の投資を通じて不動産市場の動向を学び、業界知識を深められるだけでなく、投資の判断力を養えるでしょう。
さらにクラウドファンディングでの経験を積むことで、将来大きな金額を投資する際にも、自信を持って判断できるようになります。
不動産クラウドファンディングで着実に資金を増やしつつ、不動産投資の資金を準備できます。
(4)手間をかけたくない人
不動産投資は物件の管理や入居者対応など、多くの手間がかかります。
しかし、不動産クラウドファンディングでは、これらの煩わしさが解消されます。
投資家はプロジェクトに出資するだけで、運営や管理は専門の業者が行います。
そのため、手間をかけずに安定した収益を得ることができるのが大きな魅力です。
特に忙しいサラリーマンや他の趣味に時間を使いたい方にとって、手間を最小限に抑えられるのは大きな利点です。
(5)安定した利益を獲得したい人
不動産クラウドファンディングは、安定した利益を追求する人に向いています。
賃貸物件や開発プロジェクトからの収益を通じて、長期にわたり安定したキャッシュフローを得ることが可能です。
また、不動産市場の特性上、景気の変動に対して比較的強い耐性を持つため、リスクを抑えた投資を求める方にも適しています。
安定した収益を重視する方には理想的な投資手法と言えるでしょう。
なお、以下の記事では実際に不動産クラウドファンディングの運用方法を詳しく解説しています。
他の不動産投資との違いも合わせて解説していますので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
不動産クラウドファンディングの運用方法を学ぼう!他の不動産投資の違いも徹底比較
不動産クラウドファンディングは今後拡大が期待できる市場
不動産クラウドファンディングの市場規模は、年々拡大しており、今後も拡大が期待できる市場です。
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さらに1口1万円からと始めやすく、出資する投資家を優先出資者とする優先劣後システムを採用しているため、低リスクで不動産投資に挑戦できます。
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